今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

omocha201612.jpg
↑↑↑画像クリックで、我が家のおもちゃを紹介します!↑↑↑
デジイチ、並進ブレ(シフトブレ)補正の原理と効果
【今日の夕食】
 娘(2歳10ヶ月)の熱は昨晩には下がり、今日は実家に出かけました。
r20131214.jpg
OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F2.5、SS1/100、ISO200
★米飯、カレー
 ハウスバーモントカレー、中辛です。豚肉、人参、玉ねぎ、じゃがいも入り。

★4点盛りプレート
・阿蘇ビーフロール(阿蘇土産、牛肉かまぼこ)
・もやし
・ポテトサラダ
・ひじき鮭中骨煮

妻の料理を応援して下さい:
写真日記


【今日のおじさん】デジイチ、並進ブレ(シフトブレ)補正の原理と効果
 今年9月に、初めての一眼レフ(ノンレフレックス)を買いました。いわゆる「ミラーレス一眼(レンズ交換式カメラ)」、オリンパス「PEN mini E-PM2」です。(ほぼ同世代のカメラに、E-PL5,E-PL6,E-P5,E-M5などがあります。)
20130920zcompare2.jpg20130920zwith45.jpg

 今回は、撮影時の手ブレを補正する「手ブレ補正」の原理と効果について書きます。前回(→こちら)は「回転ブレ(角度ブレ)」でしたが、今回は「並進ブレ(シフトブレ)」です。


★手ブレによる像のブレの大きさ
 手ブレの種類(方向)については、以前の記事(→こちら)で書きました。今回は、マクロ撮影時など、撮影倍率が高いときに影響が大きいとされる、上下・左右方向の「並進ブレ」について検討します。

 並進によるブレは、下図1のように表されます。手ブレによって、カメラがΔv[mm]だけ、下方向に移動するとします。これは、カメラを固定して、世界(被写体)が上方向に移動するのと同じです。
<図1>
20131214z01.jpg
 レンズからピント面までの距離をL1[mm]、レンズから撮像素子(センサ)までの距離をL2[mm]とします。すると、被写体は上方にΔh1=Δv[mm]だけ移動したように見えます。

 この移動Δh1[mm]によって、撮像素子に結ばれる像は、Δh2[mm]だけズレます。これが、手ブレによる画像のズレ量(像のブレ量)です。幾何学的な関係から、Δh2は、次式1で計算できます。
20131214s02.jpg<式1>
 式1のf[mm]は、レンズの「焦点距離」です。f<<L1として、(1+x)^n≒1+nx の近似を用いています。また、式1の変形の過程においては、次式2の「レンズの基本式」を使いました。なお、この式の導出過程は、以前の記事で述べました(→こちら)。
20131214s01.jpg<式2>


★手ブレ補正の原理
 式1のように、撮像素子の位置におけるブレ量Δh2[mm]が分かりました。ブレ量が分かると、レンズや撮像素子を移動させて、手ブレを補正できます。ここでは、「撮像素子シフト方式」の手ブレ補正を考えます。
 撮像素子シフト方式の手ブレ補正では、下図2のように、手ブレによる画像のズレ量Δh2[mm]に相当する量Δs[mm]だけ、撮像素子を移動させます。これによって、手ブレによる像のズレをキャンセルできます。
<図2>
20131214z02.jpg
 撮像素子の移動量Δs[mm]=手ブレに画像のズレ量Δh2[mm]です。式1から、Δsは次式3となります。
20131214s03.jpg<式3>
 手ブレ角度Δv[mm]は、時間とともに変化します。したがって、撮像素子のシフト量Δsも、Δvの変化にしたがって、リアルタイムに制御する必要があります。撮像素子の移動には、「DCモータ」や「ステップモータ」、「超音波モータ」などが用いられるようです[1]。
[1]コニカミノルタ;圧電超音波リニアアクチュエータ
http://www.konicaminolta.jp/about/research/core_technology/picture/antiblur.html


★手ブレ補正のために必要な情報
 式3を見ると、「並進ブレ」において撮像素子の移動量Δsを求めるためには、焦点距離f[mm]、ピント距離L1[mm]、手ブレ変位量Δv[mm]の3つを知る必要があります。前回(→こちら)検討した「回転ブレ」との違いは、ピント距離L1が必要な点です。

1)焦点距離
 焦点距離f[mm]は、使用レンズのスペックから分かります。カメラ本体とレンズが通信することで、ズームレンズでも、撮影時の状態での焦点距離が分かるようになっています。カメラ本体と通信機能のない「オールドレンズ」では、カメラへの焦点距離の手入力で対応します(オリンパスE-PM2の場合)。

2)ピント距離
 ピント距離L1[mm]は、ピント合わせ(フォーカス)用の駆動系の、位置情報を用いていると思われます。具体的には、フォーカス駆動系の「エンコーダ」によって、フォーカス部(ピント合わせ用に移動するレンズ群)の移動量が分かり、ピント距離を算出できると考えられます。
 しかし、オールドレンズなど、エンコーダを搭載していないレンズでは、フォーカス部の移動量を知ることが出来ません。したがって、原理的に、並進方向の手ブレ補正はできないことになります。例えば、オリンパスの「OM-D E-M5」や「OM-D E-M1」は並進ブレ補正を搭載していますが、ピント距離を参照できないオールドレンズ(電子接点なし)を使った場合には、並進ブレに対応できません[2]。

3)手ブレ変位量
 手ブレ変位量Δv[mm]は、センサで拾います。おそらく、「加速度センサー」が使われることが多いと推察されます。加速度センサーは、並進方向(上下、左右)の加速度を測定できるセンサーです。加速度[mm/s^2]を積分すれば速度[mm/s]を、さらに積分すれば変位量[mm]を知ることができます。

 以上のように、焦点距離f、ピント距離L1、手ブレ変位量Δvの情報をもとに、撮像素子(またはレンズ)をシフトさせて、手ブレの影響をキャンセルできます。

[2]オリンパス;世界初 5軸対応手ぶれ補正
http://olympus-imaging.jp/product/dslr/em5/feature/index3.html


★ピント外の被写体のブレも補正
 以上の手ブレ補正では、ピント面の被写体について、手ブレの影響を取り除くように、撮像素子(またはレンズ)を移動させています。では、ピントから外れた被写体は、どのように写るか、検討してみます。
 下図3のように、ピント距離L1[mm]よりも遠い、距離C1[mm]の位置の被写体を考えます。Δv[mm]の並進ブレに対して、撮像素子の位置での像のズレ量はΔh2'[mm]となります。
<図3> 
20131214z03.jpg
 式1と同様にして、次式4を導けます。
20131214s04.jpg<式4>
 手ブレ補正によって、撮像素子がΔsだけ移動します。したがって、補正後に残るズレ量は、Δh2'-Δsです。これは、次式5となります。
20131214s05.jpg<式5>
 以上から、補正前後のブレ量の比は、次式6のようになります。
20131214s06.jpg<式6>
 上式6から、ピント距離L1と被写体距離C1の差が大きく、かつピント距離L1が小さいほど、補正後に残るブレが大きくなりそうです。具体的に計算してみます。
 例えば、L1=10m、C1=30mとします。この場合、1-C1/L1=-2 となります。つまり、距離C1の位置においては、補正後に残るブレ量は、元のブレ量の2倍に増します。すなわち、ピント位置では手ブレ補正が効果的に作用しますが、ピント位置から離れた箇所では、手ブレ補正の効果がありません。悪化する場合もあります。
 これは、並進ブレについては、ピント位置から遠ざかるほど、手ブレによる像のズレの影響が小さくなるためです(遠いものほど小さく写る)。したがって、ピント位置から遠い被写体については、ピント位置の被写体よりも、小さい補正でよいのです。しかし、撮像素子(またはレンズ)をシフトするという手ブレ補正の原理上、距離ごとに補正量を変化させることは、原理的に不可能です。(撮像素子とレンズをまとめてシフトするのであれば可能。これは、ソニーのビデオカメラの「空間手ブレ補正」のような発想です。)

 ただ、「並進ブレ」が問題になるのは、撮影倍率の大きい、マクロ撮影のような場合です。サイト[3]によれば、撮影倍率が0.1倍未満では、並進ブレの影響は大きくないようです。撮影倍率が0.1倍を越えると、並進ブレの影響が徐々に増して、撮影倍率1倍(等倍マクロ)になると、回転ブレに匹敵する影響が現れます。
 このようなマクロ撮影の場合には、たいてい、背景が大きくボケていることが多いと思われます。したがって、もし手ブレ補正の影響で背景の手ブレが増大したとしても、撮影結果に大きな問題は生じないと思われます。(ただ、遠方の「点ボケ」が2重になる、というような問題は起きるかもしれません。)
 また、現状、多くの手ブレ補正機構では、「回転ブレ」だけに対応しており、「並進ブレ」を補正できる手ブレ補正は少ないようです。このため、実際の撮影で、上述のような問題が生じる頻度は、とても低いかもしれません。
[3]キャノン;ISテクノロジー詳細
http://cweb.canon.jp/ef/technology/is-technology.html


★まとめ
 上下・左右方向の「並進ブレ」について、手ブレ補正の原理と効果を考察しました。
 ヨーイング・ピッチング方向の「回転ブレ」と比較して、以下にまとめます。

1)回転ブレ(ヨーイング・ピッチング方向、角度ブレ)
 ・手ブレ補正に必要な情報は、焦点距離fと手ブレ角度Δθ。
 ・ピント面にある被写体も、ピント外にある被写体も、手ブレ補正の効果が同様に得られる。

2)並進ブレ(上下・左右方向、シフトブレ)
 ・手ブレ補正に必要な情報は、焦点距離fとピント距離L1と手ブレ変位量Δv。
 ・ピント面にある被写体の手ブレを補正した場合でも、ピント外の被写体は十分に補正されない。手ブレが悪化する場合もある。

 現状のデジタルカメラでは、1)の回転ブレのみを補正しているものが多いようです。
 なお、回転ブレには、ほかに「光軸まわり(ローリング方向)のブレ」があります。これは、撮像素子シフト式(撮像素子回転式)の補正で補正できます。レンズシフト式では補正できません。また、並進ブレと同様に、ピント外の被写体は、十分に補正できないと考えられます。


応援よろしくお願いします:
写真日記
関連記事
スポンサーサイト
omocha201612.jpg
↑↑↑画像クリックで、我が家のおもちゃを紹介します!↑↑↑









管理者にだけ表示を許可する





トラックバック
TB*URL







Copyright © 今日のおじさん、なに食べました? (仮). all rights reserved.