今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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カメラのピントが合う仕組み~レンズ移動量がポイント
【今日の夕食】
 今日は、大掃除です。シャークモップを使って、風呂場とガスコンロを掃除しました。妻は、不用品を捨てていました。
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OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F2.8、SS1/100、ISO320
★カレー
 以前に作ったカレーを、冷凍保存していたものです。味がしっかり染みていて、おいしかったです。

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【今日のおじさん】カメラのピントが合う仕組み~レンズ移動量がポイント
 今年の9月に初めての一眼レフ(ノンレフレックス=ミラーレス)を買いました。このカメラ購入と前後して、レンズやカメラについて、調べています。
 今日は、カメラの「ピントが合う仕組み」について、書きます。


★レンズの基本式
 下図1のように、レンズを通して、撮像素子(撮像センサー、CMOSやCCDなど)に結ばれる像を考えます。被写体からレンズまでの距離をL1[mm]、レンズから撮像素子までの距離をL2[mm]とします。(実際のレンズは、複数のレンズ群で構成されます。しかし、下図1のように、ほぼ等価な1個のレンズに置き換えられると考えます。)
<図1>
20131230z1.jpg
 このとき、像が撮像素子の1点だけに結ばれる(ピントが合う)ためには、次式1が成り立つ必要があります。(この式の詳しい導出過程は、→こちらの記事に書きました。)
20131230s1.jpg<式1>
 ここで、f[mm]はレンズの「焦点距離」で、次式2で表せます。
20131230s2.jpg<式2>
 ここで、R:レンズの曲率半径[mm](両面凸球面のレンズとする)
     nm:レンズの屈折率(絶対屈折率)
 なお、レンズの両面で曲率半径が等しくない場合は、2/Rの代わりに、曲率和1/ρ[1/mm]を使います。両面の曲率半径をR1[mm],R2[mm]とすると、1/ρは、次式で計算されます。ここで、R1、R2の符号は、凸面の場合には正、凹面の場合には負とします。
 1/ρ=(1/R1)+(1/R2)


★被写体からの距離が変化すると
 今、図1でピントが合った状態から、被写体が遠くに離れていくことを考えます。すなわち、下図2のように、L1がL1’に増したとします。
<図2>
2131230z3.jpg
 この場合、新しいL1’に対して、式1を満たすL2’は、L2’<L2となります。したがって、撮像素子の少し手前の位置で、像が結ばれることになります。撮像素子の位置では、像は少し拡散してしまい、1点に収束しません。いわゆる「ピンボケ」の状態です。
 このピンボケを解消するためには、以下のいずれかの方法をとる必要があります。
a)被写体の位置を変える。  =L1を調整
b)撮像素子の位置を変える。 =L2を調整
c)レンズの位置を変える。  =L1とL2を調整(L1+L2は保つ)
d)レンズの焦点距離を変える。=Rまたはnmを調整

 通常、カメラにおいては、上の「c)レンズの位置を変える」ことによって、ピントを調整しています。レンズの位置調整は、ステッピングモーターと、ねじ(リードスクリュー)や歯車(ギア)を組み合わせて実現しているようです[1]。リニアモーター駆動のものもあります[2]。μm単位での位置決めが可能らしいです[2]。
 ちなみに、「a)被写体の位置を変える」は、顕微鏡などで用いられます。すなわち、観察対象の載ったステージを、上下に移動させる場合です。また、「d)焦点距離を変える」は、一見現実的でなさそうです。しかし、人間の目では、実際にこの方法で、ピントを調整しているようです。(カメラにおいて、複数のレンズの相対位置を変化させるのも、レンズ群全体としての焦点距離を変えることに相当するかもしれません。)
[1]キャノン;EFレンズ/EOSアクセサリーカタログ、0313DP250 00465339、2013/3
[2]オリンパス;レンズ&アクセサリーカタログ2013.01、2012-1301-02(U.D)

 L1+L2を保って、レンズの位置を変えて、ピントを合せた状態が下図3です。新しいL1''とL2''は、式1を満たすようになっています。
<図3>
20131230z4.jpg
 式1において、A=L1+L2とおきます。L1を消去すると、次式3が得られます。
20131230s3.jpg<式3>
 撮像素子からレンズの距離L2を、上式3のように調整すれば、被写体にピントが合うことになります。


★レンズの移動可能範囲で最小撮影距離が決まる
 カメラ用のレンズでは、被写体が無限遠にあるときには、ピントが合います。しかし、被写体が近づいてくると、ピント合わせが不可能になるのが普通です。例えば、私の所有するレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」では、最短撮影距離は500mmです。これ以上被写体が近づくと、ピントが合いません。
 このような撮影距離の制限は、レンズの移動可能範囲に依存しているようです。そこで、レンズの移動範囲と、ピントの合う範囲の関係を調べてみます。

 最初に、被写体までの距離L1→無限とします。この状態が、下図4です。式1でL1→∞とすると、L2→f(焦点距離)となります。たいていのレンズは、この状態ではピントが合います。そこで、レンズ位置L2=fを、初期状態(原点)と考えます。
<図4>
20131230z2.jpg

 図3および式3の通り、被写体が遠ざかるほど、レンズを撮像素子に近づける必要があります。逆に、被写体が近づく場合には、レンズを撮像素子から離していく必要があります。したがって、図4の状態から、被写体が近づいてくると、ピントを合せるためには、レンズを撮像素子から離れる方向に移動させないといけません。
 被写体までの距離と、レンズ・撮像素子間の距離の関係は、式3です。式3をグラフ化すると、下図5のようになります。ここで、焦点距離f=45mmとして計算しています。
<図5>
20131230z5.jpg
 図5の通り、被写体が無限遠方から近づいてくる(A=L1+L2が小さくなる)と、ピントを保つためには、撮像素子とレンズの距離を遠ざけていく(L2を大きくしていく)必要があることが分かります。

 図5の結果から、被写体が無限遠から近づいてくる場合の、レンズ位置L2[mm]の変化を例示します。
 ・被写体距離A=∞ のとき、レンズ位置L2=45mm
 ・被写体距離A=1mのとき、レンズ位置L2=47mm(移動量2mm)
 ・被写体距離A=0.5mのとき、レンズ位置L2=50mm(移動量5mm)
 ・被写体距離A=0.2mのとき、レンズ位置L2=68mm(移動量23mm)

 この例では、被写体距離A=0.5mまでピントを合せるには、レンズを5mm移動させる必要があります。さらに、A=0.2mまでピントを合せるには、レンズを23mmも移動させないといけません。被写体が近づくにつれて、必要なレンズ移動量は、大幅に増してきます。
 レンズを大きく移動させるためには、レンズの移動量を確保するために、レンズが大型になってしまいます。また、長いストロークを正確に移動させるのは、技術的な困難が伴いそうです。したがって、たいていのレンズでは、移動量を制限しているのだと思います。そして、このために、ピントの合う範囲が制限されます。上述のレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」の最短撮影距離A≒500mmです。すなわち、このレンズでは、レンズの移動量が5mm程度に制限されている、と推察されます。(もちろん実際には、カメラのレンズは複数のレンズ群で構成されているので、実際の移動量は異なっている可能性はあります。あくまで、だいたいこれくらい、という話です。)


★ピントの合う範囲が広い「マクロレンズ」
 ピントの合う範囲が広いレンズは、「マクロレンズ(マイクロレンズ)」として、販売されています。これらは、撮影倍率1倍(L2:L1=1:1)程度まで、被写体に近づくことができます。
 例として、上で検討した焦点距離45mmのレンズで、撮影倍率1倍(L2:L1=1:1)を得るためには、どれだけのレンズ移動量が必要か、検討してみます。式1で、L1=L2とおくと、L1=L2=2f、となります。したがって、無限遠から撮影倍率1倍の範囲まで、ピントを合せるためには、焦点距離fと同じだけのレンズ移動量を確保する必要があります。焦点距離45mmの場合は、45mmのストロークです。これは、実際の製品レンズのストローク推定値5mmの、約10倍です。
 これだけのストロークを確保するためには、レンズの構造を工夫する必要があること、レンズの長さも長くなって大型化することなど、相当の困難が予想されます。実際、販売されているマクロレンズは、サイズが大きいです。実例として、焦点距離45mm・75mmの通常レンズと、60mmのマクロレンズの寸法例は、以下の通りです。やはりマクロレンズは、焦点距離のわりに、全長が長くなっているようです。
種別形式焦点距離外形寸法 mm
最大
撮影倍率
通常レンズM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.845mmφ56X461:9
通常レンズM.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.875mmφ64X691:10
マクロレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro60mmφ56X821:1



★焦点距離とレンズ移動範囲
 焦点距離によっても、ピント合せに必要なレンズ移動範囲は、変化します。下図6は、焦点距離f=45mmとf=20mmで、被写体距離Aと、ピントの合うレンズ位置L2の関係を調べた結果です(式3で計算)。
<図6>
20131230z6.jpg
 図6の通り、焦点距離が小さいほうが、少ないレンズ移動量で、広い範囲の被写体距離に対応できます。例えば、レンズ移動範囲が5mmであれば、最短撮影距離は125mmまでカバーできます。焦点距離45mmの場合は、レンズ移動範囲5mmだと、最短撮影距離は450mmです。
 このように、焦点距離が小さいレンズでは、少しの移動量で、広い範囲の撮影距離をカバーできて、有利です。また、ピント位置を大きく変えたいときも、レンズ移動量は少しで済みます。したがって、ピント合せを高速にできる、という利点もありそうです。反面、少しのレンズ移動量でピント位置が大きく変わるので、レンズの位置決め精度がシビアになる、という欠点があるかもしれません。
 コンパクトカメラ(コンデジ)では、画角に比べて、焦点距離が小さいのが特徴です。例えば、35mmフィルム換算で28mmの画角の場合、実焦点距離fは、次のようになります。
 ・コンパクトカメラ(撮像素子1/2.3型):実焦点距離≒5mm
 ・ミラーレスカメラ(撮像素子4/3型) :実焦点距離≒14mm
 ・一眼レフカメラ(撮像素子APS-C) :実焦点距離≒19mm
 実焦点距離は、コンパクトカメラ→ミラーレス→一眼レフ、の順に、大きくなります。したがって、ピント合せの速度はコンパクトカメラが最速、撮影範囲(最短撮影距離)もコンパクトカメラが最も有利、と考えられます。実際に、コンパクトカメラと一眼レフカメラを使い比べると、このことが実感できると思います。(一眼レフは、ライブビューでのオートフォーカスが遅いし、被写体に寄っての撮影が苦手な傾向がある。)


★まとめ
 カメラの「ピントが合う仕組み」について、検討しました。
 カメラでは、レンズを移動させることで、被写体との距離が変わっても、ピントを合わせることができます。しかし、被写体が近づくにつれて、必要なレンズ移動量が大幅に増します。このため、レンズ移動量が制限されている実際のレンズでは、被写体があまり近づくと、ピントが合いません。
 また、焦点距離が小さいレンズほど、少しのレンズ移動量で、広い範囲にピントを合わせられます。このため、最短撮影距離を小さくしやすい、オートフォーカスを高速にしやすい、という利点がありそうです。


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