今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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デジイチ「小絞りボケ」の実例~原因は「光の回折」
【今日の夕食】
 今日は、娘(2歳11か月)と2人で、実家を訪れました。娘は、アンパンマンを2本も見てしまいました。実家では、いつもアンパンマンです。
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OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F2.8、SS1/100、ISO320
★スパゲッティ、カニクリームソース
 生協の冷凍のソースです。カニの風味が濃厚で、クリーミーで、おいしかったです。

★みそ汁、わかめ・かいわれ・青大豆

★こふきいも

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【今日のおじさん】デジイチ「小絞りボケ」の実例~原因は「光の回折」
 昨年(2013年)の9月に、初めての「一眼レフカメラ」(正確にはノンレフ)を買いました。レンズやカメラに関して、いろいろな実験や考察を進めています。
20130920zcompare2.jpg20130920zwith45.jpg

 
 今回は、絞りを大きく絞ったときに生じるボケ「小絞りボケ」について、検討しました。


★絞るほど「被写界深度」が増す
 私のカメラ(デジタル一眼=デジイチ)は、オリンパスのミラーレス一眼「PEN mini、E-PM2」です。単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を同時に買いました。このレンズは、キットレンズと違ってズームができません。しかし、レンズ直径がキットレンズと比べて大幅に大きいので、デジイチらしい「大きなボケ」が簡単に得られます。
20140112z2.jpg
OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F2.8、SS1/100、ISO1600

 私の主な撮影対象である娘(2歳11ヶ月)を撮るのには、この45mmF1.8は最適に感じます。しかし、困った点があります。このレンズではピントから外れたところが、すぐにボケてしまう(被写界深度が浅い)ので、背景をからめた写真が撮りにくいことです。下の作例は、ヒガンバナの広がる風景を撮影しようとしたものの、被写界深度が不足して、前後の花がボケてしまった失敗例です。
20140112z1.jpg
OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F2.8、SS1/4000、ISO200

 背景をボカさずに写すには、絞りを絞らないといけません。私のレンズ45mmF1.8において、どれくらい絞れば、どれくらいの被写界深度になるかは、以前の記事(→こちら)で検討済みです。下図1は、このときの検討結果です。ピント位置より遠方がボケないようにする(パンフォーカスにする)ためには、どれだけ絞ればよいかを示した図です。
<図1>実焦点距離45mmでの絞り値と被写界深度
20131109z6.jpg
 図1において、例えばピント位置までの距離が2mならばF24、5mならばF10、10mならばF4、20mならばF2.5でパンフォーカスにできる、ということが分かります(5ピクセルまでのボケを許容した場合)。これが分かっていれば、背景をボカさず写したいときでも、必要以上に絞りを絞らなくて済みます。

 以上のように、考えたのですが、実際に撮影を繰り返してみて、少し違う点があるように感じてきました。


★絞りすぎるとボケが増す?
 検討した通り、絞りを絞っていくと、被写界深度が増して、ピント位置の前後まで、ボケずに写るようになります。しかし、絞りを大幅に絞ると、今度は逆に、画面の全体がボケてしまうような傾向があるようです。これは、「絞るほど被写界深度が増して、ボケずに写る範囲が増す」という予想結果に反しています。

 下に、実例を示します。同じ風景を、絞りを4通りに変化させて、撮影したものです。
 ・条件A:
  ・カメラ:OLYMPUS PEN mini, E-PM2
  ・レンズ:OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
  ・絞り :F1.8,5.6,11,22
 ・条件B:
  ・カメラ:OLYMPUS PEN mini, E-PM2
  ・レンズ:OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.6-5.6II R ,17mmF3.8で使用
  ・絞り :F3.8,5.6,8,11,22
 画像サイズは、いずれも4608×3072(アスペクト比3:2での最大サイズ)です。

●条件A
 下は、F1.8での撮影です(640X427にリサイズ)。ピント位置は、手前の橋のあたりです。
20140112bF18S4000.jpg
 ピント位置よりも遠くにある部分を、ピクセル等倍でトリムして比較しました。
a)F1.8、SS1/4000、ISO200
k20140112bF18S4000.jpg
b)F5.6、SS1/500、ISO200
k20140112bF56S500.jpg
c)F11、SS1/125、ISO200
k20140112bF110S125.jpg
d)F22、SS1/100、ISO640
k20140112bF220S100I640.jpg

 F1.8→F5.6と絞ると、少しだけですが、ボケが減るように見えます。ところが、F5.6→F11では、僅かながらボケが増すように見えます。そしてF22では、顕著にボヤけた像になってしまいます。


●条件B
 下は、F3.8での撮影です。ピント位置は、画面中央やや左の3本並ぶ木のあたりです。
20140112cF38S1600.jpg
 条件Aと同様に、ピント位置よりも遠くにある部分を、ピクセル等倍でトリムして比較しました。
a)F3.8、SS1/1600、ISO200
k20140112cF38S1600.jpg
b)F5.6、SS1/800、ISO200
k20140112cF56S800.jpg
c)F8、SS1/400、ISO200
k20140112cF80S400.jpg
c)F11、SS1/200、ISO200
k20140112cF110S200.jpg
d)F22、SS1/60、ISO320
k20140112cF220S60I320.jpg

 こちらは、被写体が暗めで、判別しにくいです。F3.8→F5.6で、ごく僅かながら解像感が上がっているように感じます。F5.6→F8は微妙です。「暗部補正(階調オート)」がオンになっているためかもしれません、暗い部分の見え方が変わっていて、ボケ具合の比較が難しいです。しかし、F8→F11では、やはり明らかにボケが増しています。そしてF22では、ボケボケです。ISO感度が200→320に増していますが、この影響だけとは考えにくいです。


 以上の実験結果から、絞りを絞るほど、ピントから外れたところのボケが減る、というのは、必ずしも正しくなさそうです。そして、あまり大きく絞りすぎると、逆に、顕著にボケが増してしまう事象が観察できました。


★光の回折による「小絞りボケ」
 以上のように、今回の実験では、「少し絞るとボケが減るが、大きく絞るとボケが増す」という現象を確認しました。
 少し絞るとボケが減るのは、レンズ直径(有効径)が減って、光の通過経路が狭くなるため、光の到達点のバラツキが小さくなるためです(詳しくは、→こちらの記事)。これは、これまでの予測通りでした。
 一方、「大きく絞るとボケが増す」ことは、予想外の結果でした。ネット、書籍[1]等の情報を参照すると、これは「小絞りボケ」というもののようです。絞りを小さくすると、光の集まる点は狭まりますが、原理的に、ある程度以上は狭めることができません。これは光の「波動性」によるもので、「回折」という現象(光のまわりこみ)が原因です。絞りを通った光は直進するのでなく、波紋のように広がって進むため、1点に収束しない、ということらしいです。このために、光は、1点に収束することはなく、あるサイズの円盤状に広がります。この現象を「回折限界」、円盤を「エアリーディスク」と呼ぶそうです[1]。
 この光の広がりは、光が「波」であるために生じるものなので、例えピントが完全に合った状態でも、また、あらゆる収差を補正した優秀なレンズでも、無くすことはできません。つまり、光学システムの、原理的な「分解能の限界」です。(このために、光学顕微鏡の倍率は制限されているそうです[1]。)
[1]桑嶋;よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第2版]、秀和システム、(2013)

 同じく文献[1]によると、このエアリーディスクの半径r[mm]は、次式1で計算できます。(この計算式の導出過程は不明です。)
20140112s1.jpg<式1>
 ここで、
 ・λ:光の波長[mm]
 ・F:レンズのF値
 ・D:レンズの直径(有効径)[mm]
 ・f:レンズの実焦点距離[mm]
 Wikipedia「可視光線」によると、可視光線の光の波長は、おおむね400~800nm=0.4~0.8μmだそうです。波長が短い側が紫色、長い側が赤色です。F値=22だとすると、エアリーディスクの半径r=1.22×0.5μm×22≒13.4μm、となります。ここで光の波長は、代表値として0.5μmを使いました。
 式1は、次のように説明できまるかもしれません。
・光の波長λが長い(色が赤に近い)ほど、回折の程度が大きくなり、rが大きくなる。(波長の短い光ほど、直進性が高い。)
・絞りの穴の直径Dが小さいと、回折の程度が大きくなり、rが大きくなる。(光の通過する穴が小さいほど、回折の影響が生じやすい=光の「波動性」が顕著になる。)
・焦点距離fが長いと、回折した光が撮像素子に到達するまで、長い距離を移動する必要があるので、rが大きくなる。

 エアリーディスクの半径rが、撮像素子の画素ピッチを超えると、この回折の影響が現れます(画素ピッチを超えないと、回折があっても見えません)。私のカメラE-PM2(マイクロフォーサーズ、1600万画素)の画素ピッチSは、次のように計算できます。
 ・撮像素子の幅    :Bw=17.3mm
 ・画素の並び数、幅方向:pw=4608ピクセル
 ・画素ピッチS=Bw÷pw=0.00375mm/ピクセル=3.75μm/ピクセル

 F22では、エアリーディスクの直径は13.4μmでした。したがって、光の収束する円は、約3.5ピクセル分の半径を持つことになります。ボケが生じるのもうなずけます。

 回折の影響が出ないためには、エアリーディスク半径r≦画素ピッチS、が目安になります(エアリーディスクは中央付近の強度が高いので、直径でなく半径を用いるのが妥当なようです)。すなわち、式1から、次式2が成り立つ必要があります。
20140112s3.jpg<式2>
 私のカメラの画素ピッチS=3.75μm/ピクセルの場合、光の波長0.5μmとして計算すると、F≦6.1となります。上の実験では、F5.6~F8程度が、もっともボケが少ない結果でした。すなわち、計算と実験は、よく一致していると言えそうです。
 なお、画像サイズを小さくする場合には、許容F値はもっと大きくできます。たとえば、3Mピクセルのサイズ(1920×1280)で撮影する場合(L版プリントでの適正値)には、画素ピッチが9.0μmになるので、F≦15までOKです。画面で等倍観察したり、大サイズの紙に印刷する用途でなければ、このくらいまで大丈夫かもしれません。

 以上のように、「大幅に絞るとボケが増す」現象は、「光の回折」で、うまく説明できるようです。


★まとめ
 絞りを絞ると、ピント位置から離れたところのボケを減らすことができます(被写界深度が増す)。
 しかし、絞りを絞りすぎると、「小絞りボケ」が生じます。これは、「光の回折」が原因です。

 小絞りボケが生じない限界のF値は、使用カメラの画素ピッチによって変わりますが、「エアリーディスク」の式で計算できます。例えば、マイクロフォーサーズの1600万画素で、最大画像サイズで撮影する場合には、F6.1が限界です。同じマイクロフォーサーズでも、L版プリント程度(300万画素)であれば、F15までOKです。


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