今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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「被写界深度」を理解していますか?~「ボケ味」の定量的評価
【今日の夕食】
 今日は、妻と娘(3歳2か月)と、スーパーに買い出しです。妊婦の妻は、長く立っているのが辛いようで、「もう買い物はムリ」と申しております。常備菜のストックも尽きて、今日はスーパー惣菜です。
N4190719.jpg
OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;90mm相当、F3.2、SS1/100、ISO640
★米飯

★ぎょうざ(スーパー惣菜)

★鉄分補給サラダ(スーパー惣菜)

★味卵(最後の常備菜)

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【今日のおじさん】「被写界深度」を理解していますか?~「ボケ味」の定量的評価
 昨年(2013年)9月に、初めての一眼レフ(ミラーレス含む)を買いました。これと前後して、レンズとカメラについて、実験的・理論的な考察を進めています。

 今回は、デジタルカメラの「ボケ具合(ボケ味)」の定量的・客観的な評価方法について、考察します。


★大口径レンズがボケやすい理由
 下図1は、カメラのピントが合っている状態です。レンズから距離L1[mm]のピント面に被写体があります。被写体からレンズを通った光線は、レンズから距離L2[mm]にある撮像センサー(CMOS、CCDなど)に像を結びます。
<図1>ピントが合っている
20140419z1.jpg
 ピント面より手前にある被写体については、下図2のようになります。レンズを通った光線は、撮像センサーより奥側で像を結ぼうとします。撮像センサー上では像は広がりを持ち、ぼやけた像になります。これが「前ボケ」です。
<図2>前ボケ
20140419z2.jpg
 逆に、ピント面よりも奥にある被写体では、下図3になります。撮像センサーより手前で像が結ばれますが、この像が再び広がって、撮像センサーに届きます。これは「後ボケ」で、やはり像がボケます。
<図3>後ボケ
20140419z3.jpg
 図2、図3の通り、ボケの大きさは、レンズを通る光線の経路の差に起因します。レンズ直径が大きいほど、経路に広がりがあるので、ボケが大きくなります。これが、「大口径レンズほどボケやすい」理由です。


★「ボケ」の計算式
 ボケの大きさは、幾何学的な関係式などによって、算出できます。ボケの大きさpb[ピクセル]の計算式は、次式1となります。
20140419s01.jpg<式1>
 ここで、
 ・D:レンズ有効直径[mm]
 ・f:レンズ実焦点距離[mm](換算焦点距離ではない)
 ・C1:レンズから被写体までの距離[mm]
 ・L1:レンズからピント面の距離[mm]
 ・pw:撮影画像の長辺のピクセル数[ピクセル]
 ・Bw:撮像素子の長辺の幅[mm]

 なお、この式1の導出過程、実験による検証は、別の記事にまとめてあります。
 ・ボケの式の導出 →こちら
 ・検証実験その1(ピントとボケ) →こちら
 ・検証実験その2(絞りとボケ) →こちら

 式1を使って、被写体までの距離C1[mm]と、ボケの大きさpb[ピクセル]の関係を計算すると、下図4のようになります。各諸元値は以下としました。
 ・f:レンズ実焦点距離=25[mm](換算焦点距離ではない)
 ・D:レンズ有効直径=6.25[mm](F値=4)
 ・L1:レンズからピント面の距離=1000[mm]
 ・pw:撮影画像の長辺のピクセル数=1920[ピクセル](3Mサイズ)
 ・Bw:撮像素子の長辺の幅=17.3[mm](マイクロフォーサーズ)
<図4>
20140419z20_chart_haku.jpg
 図4の通り、ピント面(L1=1000mm)においては、ボケがゼロです。この面から離れるにしたがって、ボケが大きくなる様子が読み取れます。


★ボケ具合を特徴づける値
 被写体までの距離C1[mm]とボケの大きさpb[ピクセル]の関係を、より詳しく見てみます。先の図4に説明を加えたのが、下図5です。
<図5>
20140419z21_chart.jpg
 図5から、次の2つの特徴が読み取れます。
1)無限遠方(C1→∞)では、ボケの大きさは一定値に収束する(pb→pbf)。
2)線図で、ピント面周辺の傾き(勾配)が大きいほど、ボケが急激に増加する。

 そこで、次の2つの値を用いれば、ボケの程度を定量的に把握できそうです。
1.「無限遠ボケ」pbf:無限遠でのボケの大きさ
2.「ボケ勾配」 K :ピント面周辺の傾き(勾配)


 ここで「ボケ勾配」とは、ピント面から1mmだけ距離がずれたときの、ボケの増大量を示します。ボケ勾配が大きいほど、ピント面が薄くなります。
 なお、「無限遠ボケ」「ボケ勾配」は、当ブログオリジナルの指標です。

★作例にみる「無限遠ボケ」と「ボケ勾配」
 下は「無限遠ボケ」の比較です。左の写真のほうがレンズ直径が大きく、無限遠ボケが大きくなっています。無限遠ボケが大きいと、背景が明瞭にボケます。逆に無限遠ボケが小さいと、背景もハッキリ写ります。なお、「無限遠」といっても、実際に無限に離れている必要はなく、ピント面の5~10倍程度離れていれば無限遠とみなせます。
20140419z10_F18.jpg20140419z11_F130.jpg
左)焦点距離f=45mm、レンズ直径D=25mm(F1.8)、無限遠ボケpbf=39pix
右)焦点距離f=45mm、レンズ直径D=3.5mm(F13)、無限遠ボケpbf=5pix

 次に「ボケ勾配」の比較です。左の写真のほうがレンズ直径が大きく、ボケ勾配が大きくなっています。ボケ勾配が大きいと、ピントからずれると急激にボケが増します(被写界深度が浅い)。一方、ボケ勾配が小さいと、ピントから少しくらいずれてもボケません(被写界深度が深い)。
2014140419z13_F18.jpg20140419z12_F80.jpg
左)焦点距離f=45mm、レンズ直径D=25mm(F1.8)、ボケ勾配K=0.15[pix/mm]
右)焦点距離f=45mm、レンズ直径D=5.6mm(F8)、ボケ勾配K=0.03[pix/mm]

※上の無限遠ボケ、ボケ勾配は、元画像(1920X1280pix)での計算値です。


★「被写界深度」のあいまいさ
 ボケの程度を表す値として、「被写界深度」が一般的に知られています。許容ボケ量(錯乱半径)をpε[ピクセル]とすれば、被写界深度A[mm]は、A≒pε÷K で計算できます。
 ここで注意したいのは、「被写界深度」は、レンズやカメラのスペックだけで決まる値ではない点です。どこまでのボケを許容するか(pε)を決めて、初めて定まります。ボケ許容量は、用途や個人の好みによって、一定ではありません。
 また、「被写界深度」は、使うときどきによって、無限遠方のボケにくさを示したり、ピント面の薄さを示したり、あいまいな面があります。これは上述の通り、許容ボケ量pεが明示されないことが原因と思われます。下図6には、pε大では無限遠のボケ、pε小ではピント面の薄さを示すようになり、被写界深度の意味合いが変わる様子を示します。
<図6>
20140419z22_sindo.jpg
 本来は「被写界深度」は「許容ボケ」と常にセットで語らなければなりません。しかし、たいていの場合「許容ボケ」が忘れらがちなようです。この点は、注意しないといけません。
※被写界深度の定義は厳密で、あいまいではありません。しかし、理解があいまいになりやすい、ということです。

 あいまいになりがちな「被写界深度」に対して、今回示した2つの指標「無限遠ボケ」と「ボケ勾配」は、レンズとカメラのスペックだけで、一意に定まる値です。主観的な要素に左右されないので、安心してボケ具合についての議論ができます。


★ボケの性質を調べる:準備
 ここからは、ボケを特徴づける「無限遠ボケ」と「ボケ勾配」について、さらに詳しく調べます。準備として、次の式2~4を用意しておきます。
◎レンズのF値:
20140419s01_F.jpg<式2>

◎35mm換算焦点距離:
20140419s03_f35.jpg<式3>

◎35mm換算撮影倍率:
20140419s04_k35.jpg<式4>

 ここで、式中の記号は以下の通りです。
 ・F:レンズのF値
 ・D:レンズ有効直径[mm]
 ・f:実焦点距離(換算焦点距離でない)[mm]
 ・f35:35mmフィルム換算の焦点距離(画角)[mm]
 ・B35:35mmフィルムの長辺の長さ=36[mm]
 ・Bw :撮像センサーの長辺の長さ[mm]
 ・κ35:35mmフィルム換算の撮影倍率
 ・L1 :レンズからピント面までの距離[mm]


★ボケの性質1:「無限遠方のボケ」
 式1でC1→∞とおけば、無限遠方でのボケの大きさpbfを得られます。次式5となります。
20140419s11_pb1.jpg<式5>
 式2~4を用いて変形すると、次式6を得ます。
20140419s12_pb2.jpg<式6>
 式6から、無限遠方のボケについて、次のことが分かります。
 a)無限遠ボケは、換算焦点距離f35に比例して大きくなる。
 b)無限遠ボケは、換算撮影倍率κ35に比例して大きくなる。
 c)無限遠ボケは、センサーサイズBwに比例して大きくなる。
 d)無限遠ボケは、レンズのF値に反比例して小さくなる。


 これらは、経験的に知られた、以下の現象と一致します。
 a’)望遠レンズになるほど、ボケが大きくなる。
 b’)被写体に近づくほど、ボケが大きくなる。
 c’)センサーの大きいデジイチは、小さいコンデジよりボケが大きい。
 d’)絞りを開く(F値が小さい)ほど、ボケが大きくなる。

 式6が「経験」を超える点は、各要素のボケへの影響を定量的に把握できることです。たとえば、ピント面の被写体の大きさを変えないで、センサーサイズが1/2のカメラで同じボケを得たいときを考えます。この場合、被写体の大きさを変えないために、撮影倍率は保つ必要があります。式6を見れば、F値を1/2にするか、換算焦点距離を2倍にするか、といった選択肢をとれば、センサーサイズが1/2でも、ボケの大きさを維持できることが分かります。


★ボケの性質2:「ボケ勾配」(被写界深度)
 「ボケ勾配」K[pix/mm]は、被写体がピント面L1から1mmずれたときに、どれだけボケが増すか、を示す指標です。式1をC1で微分して、C1=L1と置くことで得られます。次式7になります。
20140419s21_K1.jpg<式7>
 式2~4を用いて変形すると、次式8を得ます。
20140419s22_k2.jpg<式8>
 ボケ勾配Kが大きいほど、ピント面から外れたときのボケの増し方が極端になります。式8から、ボケ勾配について、次のことが分かります。
 e)ボケ勾配には、換算焦点距離f35は関係ない。
 f)ボケ勾配は、換算撮影倍率κ35の2乗に比例して大きくなる。
 g)ボケ勾配は、センサーサイズBwに比例して大きくなる。
 h)ボケ勾配は、レンズのF値に反比例して小さくなる。


 これらは、経験的に知られた、以下の現象と一致します。
 f’)被写体に近づくほど、ピント面が急に薄くなる。
 g’)センサーの大きいデジイチは、小さいコンデジよりピント面が薄い。
 h’)絞りを開く(F値が小さい)ほど、ピント面が薄くなる。

 式8から導かれるe)は、実際の撮影ではあまり感じられないかもしれません。これは、換算焦点距離が異なると、撮影する対象や構図が変わるために、換算焦点距離だけを変えた条件でボケ具合を比較する機会がないためと考えられます。(逆に言えば、式8は「経験を超える知見」を示している、とも言えます。)

 また、式8を使えば、各要素のボケ勾配(ピント面の薄さ)への影響を定量的に把握できます。たとえば、ピント面の被写体の大きさを変えないで、センサーサイズが1/2のカメラで同じボケ勾配を得たいときを考えます。この場合、被写体の大きさを変えないために、撮影倍率は保つ必要があります。しかし式8を見ると、ボケ勾配を維持するには、F値を1/2にするしかありません(換算焦点距離を変えてもダメです)。この結果から、センサーの小さいカメラで、センサーの大きいカメラほどのボケ具合を得ることの難しさが分かります。(F値の小さいレンズは、とても高価なのです。)


★まとめ
 カメラのボケ具合を表すには、次の2つの指標が有用です。
1)「無限遠ボケ」
 定義:無限遠方でのボケの大きさ。
 意味:大きいほど、背景が明瞭にボケる。
 特徴:換算焦点距離大、換算撮影倍率大、センサーサイズ大、F値小ほど、大きくなる。

2)「ボケ勾配」
 定義:ピント面から1mmずれたときのボケの増大の程度。
 意味:大きいほど、ピント面が浅い。
 特徴:換算撮影倍率大、センサーサイズ大、F値小ほど、大きくなる。換算焦点距離は関係ない。

 背景のボケ具合は「無限遠ボケ」で評価し、ピント面近傍のボケ具合は「ボケ勾配」で評価します。2つの指標を用いることで、ボケ具合を定量的に把握できます。

※「被写界深度」は「許容ボケ(錯乱半径)」とセットで扱う必要があり、定量的な評価には使いにくいです。ボケ具合を「被写界深度」で比較しようとすると、勘違い・思い込みが入り込む可能性が大です。くれぐれも、注意が必要です。


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