今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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LED実験:温度上昇10℃で寿命半分!~断熱材施工器具ダウンライト+LED電球の注意点
【今日の夕食】
 妻と娘(4歳6か月)が、3泊4日の北海道・小樽旅行から帰ってきました。ケンカも少なく、楽しく過ごしてきたそうです。息子(1歳2ヶ月)は40℃近い発熱と咳で、たいへんでしたが、なんとか乗り切りました。
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OLYMPUS E-PM2+MZD45mmF1.8;EFL90mm、F2.8、SS1/100、ISO800;EV+0.7
★米飯

★北海道土産
・かまぼこ(かま栄)
・とうもろこし

★ユン家自慢のキムチです

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【今日のおじさん】LED実験:温度上昇10℃で寿命半分!~断熱材施工器具ダウンライト+LED電球の注意点
 今日は、LED電球をダウンライトで使うときの「温度上昇」について、実際に実験して調べた結果を書きます。「断熱材施工器具」のダウンライトでは、温度上昇がLED電球の寿命を低下させる大きな原因となります。



★本当に「4万時間」も持つの? LED電球の寿命
 LED電球の寿命を、あまり信じていません。パッケージの記載によると、「定格寿命4万時間」とあります。4万時間といえば、1日24時間運転で、約1700日、4.5年です。稼働率50%なら9年。ほんとうに、そんなに持つのでしょうか。

 特に、「断熱材施工器具」というダウンライト(「SB」「SG」などのマークが表示されるもの)では、LED電球の熱が器具内にこもりやすく、寿命を低下させる要因になります。すなわち、天井を覆った断熱材によってLED電球の放熱が妨げられ、本体や点灯回路部分の温度が上昇し、短寿命となってしまうのです[1]。(断熱材施工器具+LED電球のワナについては、→こちらの記事でも書きました。)
  このような「断熱材施工器具」でLED電球を使用するためには、断熱材施工器具に対応した製品を使用しなければなりません。対応製品では、放熱への配慮や、過昇温防止回路などによって、LED電球の温度が過度に上昇しないような工夫がされているようです[1][2]。
 サイト[3]によると、LED電球の寿命は、点灯回路の中の「電解コンデンサ」によって決定づけられることが多いようです。これによると、電解コンデンサの寿命は、例えば65℃で3.2万時間とあります。そして、温度が10℃上昇するごとに、寿命は1/2に低下するそうです。これは「10℃ 2倍速」と呼ばれる「アレニウスの法則」により、化学反応が加速されるためです。(圧力鍋が速く煮える原理と同じ。詳しくは、→こちらの記事

[1]パナソニック;LED電球はここがおすすめ!
http://panasonic.jp/lamp/led/feature/index.html
[2]東芝ライテック;東芝LED電球のご紹介
http://www.tlt.co.jp/tlt/products/led_lamp/led_lamp_pre/led_lamp_pre.htm
[3]KKテクノロジーズ; LED電球豆知識 - 熱設計と信頼性の関係1
http://www.kktech.co.jp/LED%E9%9B%BB%E7%90%83/%E7%86%B1%EF%BC%91.html

 以上を踏まえると、LED電球というものは、温度が10℃変化するだけで、寿命がザックリ1/2になるおそれがありそうです。このリスクは、「断熱材施工器具」では特に大きくなります。

 では実際、LED電球の周辺の温度は、どの程度なのでしょうか? 実際に実験で、確かめてみました。


★LED電球の温度を、実際に計ってみよう!
 下の写真のように、温度計(料理用)を、ダウンライトの近くに固定しました。固定には、マスキングテープを使用しています。このダウンライトは、「SGI」マークの表示された「断熱材施工器具」です。使用したLED電球は、東芝製4.4Wのタイプ(東芝E-CORE 4.4W 440lm LDA4N-G-E17//S)です。温度計は、LED電球の透明部と基部の境目くらいのところに、接触するようにしています。(接触の有無によって、温度が大きく異なります。同じ実験を試したい方は、ご注意ください。)
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 このセットアップで、LED電球をONにしたときから、所定時間ごとに、温度を読み取りました。


★LED電球、温度上昇の理論式
 実験結果をまとめる前に、LED電球の温度上昇について、簡単に理論的な考察をしておきます。

 まず、エネルギーの保存則から、次式1を得ます。簡単のため、LED電球の消費電力は、すべて熱になると仮定しています。
  20150813s01.jpg  <式1>
 ここで、
 ・Q:LED電球の消費電力[W]
 ・Δt:微小な時間[s]
 ・ΔT:時間Δt[s]の間の温度増分[℃]
 ・c:LED電球の比熱[J/g・℃]
 ・m:LED電球の質量[g]
 ・α:放熱係数[W/℃]
 ・T0:周囲温度[℃]

 上式1の左辺は、LED点灯による消費エネルギ。右辺は、第一項がLED電球の温度上昇に使われるエネルギ。第二項が、熱伝導や熱伝達によって、周囲に放出されるエネルギです。

 式1は微分方程式になります。変数分離によって、これを解くと、次式2を得ます。
  20150813s02.jpg <式2>
 時間t=0でT=T0とおくと、式2は次式3となります。
  20150813s03.jpg <式3>
 また、時間t→∞でT=T∞とすると、放熱係数αは、次式4で表せます。
  20150813s04.jpg  <式4>


★LED電球の温度は:外気温+30℃まで上昇!
 では、実験結果をまとめます。 

 電源ONからの経過時間と温度の関係を、下図に示します。丸印は実測値、線は式3による計算値です。LED電球の温度は、電源ONから80分くらいで一定値に落ち着きました。LED電球の温度は58℃となり、室温28℃から+30℃の上昇でした。
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 上図において、計算値は式3によります。各パラメータは、実験値と合うように決めました。すなわち、
 ・周囲温度T0(=初期温度):28℃(実測値)
 ・消費電力Q:4.4W(カタログ値)
 ・放熱係数α:0.15W/℃(式4でT∞=実測値58℃とおいて算出)
 ・熱容量cm:300J/℃(グラフで実験値と合うように決定)

 各値について、確からしさを考察しておきます。
(1)放熱係数α
 放熱は、主に空気中への熱伝達によるものと仮定します。空気の熱伝達係数は、環境によって、かなりばらつくことが知られています。ざっくりの値として、10[W/m^2・K]を用いてみます。ダウンライトの開口部は、直径10cmほどです。したがって、開口面積は約8000[mm^2]=0.008[m^2]。10[W/m^2・K]×0.008[m^2]≒0.1[W/℃]となります。これは、実験結果から求めた値0.15[W/℃]とよく一致しています。

(2)熱容量cm
 LED電球の主要材料はプラスチックと考えられます。文献[4]によると、プラスチックの比熱はc=1~2[J/g・℃] です。また、今回使用したLED電球の重量はm=36g(実測値)でした。したがって、c・m=40~80[J/℃]となります。これは、実験結果から決めた値300J/℃と桁はほぼ一致します。ザックリした実験にしては、上出来と考えられます。
 実験の値が大きくなる理由として、①実際には照明器具本体や天井への熱の移動があるため、温度上昇のために必要なエネルギが増す。②温度計とLED電球の接触が不安定で、熱抵抗があり、温度が小さく測定されている。などが考えられます。(上のグラフで50分前後のデータが少しくぼんでいますが、これは温度計がLED電球から少し離れてしまっていたためです。)

[4]安田;プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果<11>、三菱化学
http://www.m-kagaku.co.jp/grproduct/company/mcc/cmd/notification/plastics_11.pdf#page=2


★明るいLED電球ほど、温度上昇も高い=寿命に注意!
 今回の実験では、消費電力4.4Wと、比較的ワット数の小さいLED電球を用いました。もし、6.0Wのような、もっと明るいLED電球であれば、さらに発熱が増して、温度が上昇すると考えられます。この場合の温度T∞は、次式で推定できます。

 T∞=T0+Q/α

 実験結果より、α=0.15[W/℃]です。Q=6.0Wとおくと、T∞-T0=6.0[W]÷0.15[W/℃]=40[℃]となり、温度上昇は+40℃です。

 以上のように、LED電球の表面温度は、室温+30℃~+40℃となります。LED電球内部では、さらに温度が高く、さらに10℃程度高くても、不思議ではなさそうです。

 そうすると、夏季に室温30℃となれば、LED内部の温度は70~80℃になっていると推察されます。上述の文献[3]によれば、75℃では電解コンデンサの寿命は「1.6万時間」などとなります。これは、LED電球に示された寿命「4万時間」に比べて、小さい値です。もちろん、実際には安全率があるのでしょうが、実際の寿命が表示寿命の半分になってしまっても、まあ仕方ないか、という厳しい使用条件だと思います。(寿命1.6万時間となれば、1日24時間運転で、約670日、1.8年です。稼働率50%なら3.6年。実際持って2年くらいかなあ、というイメージを持っているので、まだ長すぎる気もしますが。)


★まとめ:断熱材施工器具+LED電球は「寿命半分」も当たり前!
 断熱材施工器具(ダウンライト)とLED電球の組み合わせで、温度上昇を実際に測定しました。
・4.4WのLED電球表面の温度は、室温+30℃まで上昇した。
・消費電力がさらに高いLED電球ならば、さらに温度上昇は高まる。
・LED電球の寿命は、ザックリ10℃で1/2になる。

 断熱材施工器具は、構造上、熱がこもりやすく、温度上昇が避けられません。断熱材施工器具に使用可能なLED電球は、放熱等に工夫がされているものの、温度上昇の抑制には限度があります。実際の寿命が、パッケージ表示の寿命の1/2になっても、おかしくない使い方だと考えられます。もし、半分の期間でLED電球が壊れてしまっても、怒らないでね。そういう厳しい条件なんです。


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(補足)
 LED電球のパッケージに表示されるのは「定格寿命」です。JIS C8157:2010によると、定格寿命は以下のように定義されます。

「既定の条件で点灯したとき,電球形 LED ランプが定格光束の 70 %以上の光束を維持している期間。定格ランプ寿命は,製造業者等の試験によるほか,LED 単体部品の製造業者等の LED の動作条件を表す温度及び電流,並びに光学的特性の維持率の時間変化の関係を示した技術資料などから,理論的に導き出した推定値を採用してもよい。定格ランプ寿命は,製造業者等が故障率と組み合わせて公表する。」

 定義はあるものの、「既定の条件」というのが、メーカーごとにまちまちなのが実情のように思えます。特に、「温度」が重要なファクターなのですが、各メーカーのホームページを見る限り、温度について記載されているものを見つけられませんでした。例えばサイト[A1]では「LED電球は熱の影響を受けるため、当社では評価器具に取り付けた状態で評価・確認をしています。」と記載されていますが、具体的な温度等の条件が書かれていないのが、たいへん残念です。実際の状態と言っても、室温は何℃なのでしょうか、そこが重要ですのに。

[A1]東芝ライテック;LED電球 Q&A
http://www.tlt.co.jp/tlt/support/faq/led/led_lamp.htm

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