今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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缶詰の寸法の決め方は?~所定の体積を最小の材料で
【今日の料理】 2011/9/6 夕食
 昨晩は,神奈川県の実家に泊まり,今日,熊谷の自宅に戻りました.北海道・小樽に滞在したときの写真を大量にプリント(約700枚!)したのですが,あまりに多く,整理に困っています.床一面に,写真が広がっている状態です.妻が,アルバムに貼るというので,どうにかなることを,期待しています.

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★米飯

★みそ汁,豆腐・おくら

★鶏肉,焼き鳥風
 鶏もも肉を,ヤマサ昆布つゆに漬けた後,ふっ素樹脂フライパンで焼きました.

★なす・ピーマンのみそ炒め
 具は,なす・ピーマン・人参・にんにく.味付けは,しょうゆ・みそ・酒・砂糖です.

★ふろふき大根
 圧力鍋,加圧5分.だし汁で煮た後,かつお節を加えました.娘の離乳食を兼ねます.


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【今日の料理工学】 缶詰の寸法の決め方は?~所定の体積を最小の材料で
 缶詰は,料理の材料として,とても重宝します.我が家でよく使うのは,ツナ缶,豆缶,トマト缶,などです.また,私は缶コーヒーも良く飲みますし,娘(6.8ヶ月)の主食のミルクも,缶詰に入っています.

 こうした缶詰ですが,缶の大きさは,種々様々です.このような缶詰の寸法(直径と高さ)は,どのようにして決めているのでしょうか.


★所定の体積を最小の材料で得るには

 缶詰の寸法の設計手法のひとつとして,「所定の体積を,最小量(最小面積)の板材で囲む」ことが,考えられます.板材の量(面積)が少なければ,それだけ材料費が少なくて済みますので,コストを低減できます.
 この指針にしたがうと,缶詰の寸法(直径と高さの比率)はどのようになるか,検討してみます.

 簡単のため,缶詰の形状は,単純な円筒形状とします.また,缶詰の板材の厚さは,十分に薄いとして,厚みをゼロと考えます.缶詰の直径をd[mm],高さをh[mm]とします.
 このとき,缶詰の体積(内容量)V[mm^3]は,次式1で表せます.
<式1>
20110906s2.jpg

 また,缶詰の表面積(板材の面積)S[mm^2]は,次式2で表せます.
<式2>
20110906s1.jpg

 ここで,h=k×d とおくと,体積Vと表面積Sは,次式3で表せます.
<式3>
20110906s3.jpg

 式3から,直径dを消去すると,次式4を得ます.
<式4>
20110906s4.jpg

 いま,体積(缶詰の内容量)Vを一定として,kをどのように選べば,表面積(缶詰を作るのに必要な板材の面積)Sを最小にできるかを考えます.そこで,式4をグラフ化すると,下図1のようになります.
<図1>
20110906z3.jpg

 この図から,k=1のときに,表面積Sが最小値Sminをとることが分かります.ここでSminは,次式5で表せます.
<式5>
20110906s5.jpg

 この結果から,決められた内容量V[mm^3]の缶詰を作るときには,k=1,すなわち,缶詰の高さh[mm]=缶詰の直径d[mm]とすれば,缶詰を作るのに必要な板材の面積S[mm^2]を,最小にできることが分かります.

 つまり,材料の最小化を目指して設計した缶詰は,直径dと高さhが,等しくなります.


★実際の缶詰の寸法はどうか?

 では,実際の缶詰では,直径dと高さhは,どのような比率になっているのでしょうか.私の手元にあった缶詰いくつかで,調べてみました.
 調査した缶詰の外観を,図2に示します.

<図2>
20110906z1.jpg

 図2の左から順に,以下の通りです.
 a)ミックス豆
 b)パイナップル
 c)ツナ
 d)粉ミルク
 e)缶コーヒー

 それぞれの直径d[mm]と高さh[mm],および高さと直径の比率k=h/dは,次の通りでした.寸法はノギスで測定しました.ただし,粉ミルクの高さだけは,ノギスの測定範囲を超えていたために,プラスチック定規で測定しました.また,測定箇所は,直径は中央部の直径を,高さは最突出部間の距離(天面板と底面板の距離ではなく,上縁から下縁までの距離)を測定しました.
 a)ミックス豆 :d= 66,h= 69,k=1.0
 b)パイナップル:d= 84,h= 89,k=1.1
 c)ツナ    :d= 65,h= 36,k=0.55
 d)粉ミルク  :d=133,h=175,k=1.3
 e)缶コーヒー :d= 53,h=104,k=2.0

 缶詰a,b,dは,おおむねk≒1となっており,材料の量を最小にするような設計になっているようです.しかし,缶詰cとeは,材料を最小にする設計からは,だいぶ外れています.

 この結果を,前出の図1(体積Vを保ったときの,比率kと表面積Sの関係)にプロットしたのが,下図3です.
<図3>
20110906z4.jpg

 この結果をみると,缶詰cとeは,材料を最小とする比率kからは外れているものの,その使用材料の量は,最小値と大差ないことがわかります.すなわち,k=1とした場合の材料使用量に対して,約4~5%の材料の増大に過ぎません.
 とはいえ,4~5%の材料であっても,無駄遣いをすることは,コストの面から,許されることではありません.缶詰cとeでは,材料を多く使っても,製造や使用の容易さを優先したかったのだと思われます.すなわち,缶詰cとdでは,以下のような目的から,寸法を決定した可能性があります.

●缶詰c)ツナ
・陳列の際の安定性を保ちたかった.
 このツナ缶の寸法は,直径65mm,高さ36mmでした.体積Vは,寸法の測定結果から計算すると,120000[mm^3]です.この体積を保って,比率k=1とすると,直径53mm,高さ53mmとする必要があります.しかし,この寸法だと,上下面の面積が小さくなりすぎて,陳列の際に,転倒の可能性が高まりそうです.安定感のある形状とするために,k=0.55を選んだのかもしれません.

・缶の製造性を優先した.
 このツナ缶は,スチール缶ですが,今回調べた他の缶とは,製造方法が異なります.すなわち,図4のように,他の缶では,四角い板材を丸めてつなげて,側面を構成しています.これに対して,このツナ缶では,天面と一体の板材をプレスで変形させて,凹面上の缶を形成しています.このようなプレス成形では,あまり深さのある加工は,困難です.深さがあまり深いと,板材の厚さが不均一になったり,破れたりしてしまうからです.こうした加工の制限から,高さhを大きくできず,比率k=0.55としたのかもしれません.
<図4>
20110906z2.jpg


●缶詰e)缶コーヒー
・持ちやすさ,こぼれにくさを優先した.
 この缶コーヒーの寸法は,直径53mm,高さ104mmでした.体積を同じにして,比率k=1とすると,直径=高さ=66mmとなります.この直径66mmは,350mLのジュース缶の直径と同じです.したがって,特に持ちにくいとは思えません.しかし,高さ66mmとなると,飲んでいる途中に,少し傾けたり揺らしたりしただけで,内容物がこぼれてしまうかもしれません(例えば半分飲んだときに,高さ104mmならば天面まで約50mmの余裕ができるが,高さ66mmだと約30mmの余裕しか残らない).このようなことを考えて,ある程度高さのあるように,k=2.0を選んだのかもしれません.

・自動販売機での寸法制約があった.
 缶コーヒーの販売形態として,自動販売機があります.自動販売機で販売するためには,ある程度の寸法制限に収める必要があります.この必要から,先に直径dが決まり,容量から高さhを定めた結果,k=2.0となったのかもしれません.

 以上のように,特定の目的(機能)が重要であるときには,材料の量が多くなることを犠牲にしても,その機能の実現を優先しているようです.これらの例では,増大するコスト(材料の量)は5%程度と少ないので,機能を優先しても差し支えない,と結論したのだと考えられます.もっと多くのコストが必要ならば,逆に,機能を制限したかもしれません.
 このように缶詰を見ると,設計とは「機能とコストのバランスをとること」であると,理解できるのではないでしょうか.


【今回の結論】
 缶詰の直径と高さを等しくすれば,「所定の体積を最小量の材料で囲む」缶詰を実現できます.
 しかし,実際の缶詰では,使用性や製造性などの機能を優先することがあるため,必ずしも直径と高さが等しくなってはいません.


缶詰を整理していると,なんと「カニ缶」が見つかりました.昔の頂き物のようです.やったぜ,育休おじさん!
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別の可能性
これを見る限り、aの缶詰とcの缶詰は外径がかなり近いですよね?
この寸法って何かしら規格があるんじゃないでしょうか。
外径はある程度規準化しておいて缶の高さで内容量を調整する、
ということなんじゃないかと。

そういうことにすることで利点が二つ考えられると思うのです。

1.缶の蓋の材料を共通化でき、ひいてはコストダウンにつながる
(aの缶とcの缶、内径は同じだったりすれば同じ蓋材かも・・・)
2.缶の径を規格化しておけば製品入れる段ボール箱も
同じような大きさになる・・・トラックに隙間なく詰め込むことができて
輸送効率を極力効率化できる。ひいてはコストダウンにつながる。

缶詰めひとつとってもいろいろ考えると面白いものですね。
かずひと | URL | 2011/09/09/Fri 19:44 [編集]
>かずひと さん

 こんにちは.

 たしかに,最近の缶詰の蓋は,プルトップ付きの複雑な形状なので,共用化するとメリットが大きそうですね.

 あらためて調べてみると,「食品缶詰用金属缶」という,JIS規格(JIS Z 1571)が存在するようです.日本国内で作られている缶詰の缶の寸法は,基本的に,この規格に沿っているものと思われます.

 缶詰1個1個の機能やコストを考えて寸法を決めていたのは昔の話で,今は缶メーカーが規格化されたものを大量生産しており,詰める側はその中から適当なものを選ぶ,というやり方になっているのだと思います.
マツジョン | URL | 2011/09/10/Sat 20:50 [編集]



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