今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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ふっ素樹脂コーティングの比較実験~液滴形状の違い
【今日の料理】 2011/5/1 夕食
 毎週日曜日は,妻が昼食と夕食を担当してくれています.娘(2.5ヶ月)も,よく寝ていました.
 私は,1日まるまる休めたので,とても助かりました.

 いつもは,妻が娘を風呂に入れるのですが,今日は,私が風呂に入れました.
 最初,ゴキゲンだったのですが,顔を流すときに,目に水を入れてしまいました.それから,ゴキゲン斜め.でも,風呂あがりには,すぐに寝てしまいました.眠くて,機嫌が悪かったのかもしれません.このところ,とても良く眠る娘です.

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★米飯

★みそ汁,豆腐・わかめ

★豚肉と大根の煮物
 豚ヒレ肉,大根,卵の煮物.クックパッドレシピだそうです.
 圧力鍋でなく,普通の鍋で煮たとのこと.

★かぶ葉と大根葉の炒め煮
 ちょっと濃い目の味付けでしたが,ご飯のお供には,丁度良かったです.

★浅漬け,きゅうり・キャベツ・塩昆布
 妻は,浅漬けが好物です.さっぱりしていて,箸休めに良いです.

【今日の料理工学】 ふっ素樹脂コーティングの比較実験~液滴形状の違い
 前回は,ふっ素樹脂コーティングをしたフライパンについて,「濡れ性」を考察しました.
 その結果,ふっ素樹脂コーティングをしたフライパンに汚れがつかないのは,濡れ性が低いため,ということが分かりました.

 今回は,実際のフライパン(または鍋)で,濡れ性の比較実験をしてみたいと思います.理屈だけでなく,実験もやる,というのが,料理工学の基本アプローチと考えています.

 実験条件は,以下の通りです.
 ・使用する鍋:鍋A=ふっ素樹脂コーティング鍋,鍋B=ステンレス鍋(コーティングなし)
 ・鍋の表面の状態:乾燥状態

 以上の条件の下,次の実験を行いました.
 ・鍋の表面に,しょうゆ7500mm^3(小さじ1/2スプーン1杯=7.5cc)を垂らす.
 ・広がったしょうゆの大きさ(直径)を,定規で読み取る.

 鍋の表面に広がった,しょうゆの状態を,下図1に示します.ふっ素樹脂コーティング鍋に比べて,ステンレス鍋では,しょうゆが広い範囲に広がっていることが分かります.
 しょうゆの広がり方は,きれいな円形ではないので,直径を定義するのが困難です.今回は,図中の点線の丸のように,目視のエイヤ!で,だいたいの直径を読み取りました.その結果,しょうゆの直径は,
 ・ふっ素樹脂コーティング鍋:35mm
 ・ステンレス鍋:70mm
 と,読み取れました.
<図1>
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 さて,前回,濡れ性の尺度として,接触角θが用いられる,と説明しました.下図2のように,接触角θが大きいほど,濡れ性が小さい,とされます.
 今回の実験結果から,θを推定してみましょう.
<図2>
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 簡単のため,図3のように,液滴の形状は,半径Rの球面の一部であるとします.また,界面の直径を2rとします.このとき,r=R×sinθです.
<図3>
z20110501z3.jpg
 そうすると,液滴の体積Vは,次式1で表せます.
<式1>
z20110501s1.jpg
 今回の実験では,液滴の体積V=7500mm^3と,直径2r=35mm(ふっ素樹脂コーティング鍋),70mm(ステンレス鍋),が既知です.したがって,式1から,接触角θが,一意に求まります.

 しかし,式1を,θについて解くのは,簡単そうではありません.
 そこで今回は,数値計算で,式1を解くことにしました.具体的には,エクセルの「ゴールシーク」機能を使って,式1を満たすθを見出しました.
 この数値計算の結果から,液滴の体積V=7500mm^3のとき,液滴の直径2rと,接触角θの関係は,図4のようになります.
<図4>
z20110501z4.jpg
 この図から,接触角θは,以下のように求められます.
 ・ふっ素樹脂コーティング鍋:θF=74deg
 ・ステンレス鍋:θS=13deg
 この結果から,液滴の形状をCADで作図したのが,下図5です.こうしてみると,液滴形状の違いが,よく分かります.
<図5>
z20110501z5.jpg
 なお,文献1によると,ふっ素樹脂と水の接触では,θ=114degとのことです.
 今回の実験では,液滴が大きいために,重力の影響で,液滴がつぶれたのかもしれません.また,今回用いたふっ素樹脂コーティング鍋のコーティングが,ふっ素樹脂100%とは限らないこと,表面に不純物が付着していること,も,影響していると思われます.
[1]ダイキン工業;フッ素化学 技術情報,フッ素樹脂の表面・界面の制御技術とその応用
 http://www.daikin.co.jp/chm/technology/index.html

 前回同様,2つの鍋で,付着仕事W(液滴を剥がすのに必要なエネルギー[J/m^2])を比較すると,次のようになります.
 WF/WS=(1+cosθF)/(1+cosθS)=0.65 

 ここで,付着仕事Wは,単位面積あたりの値であることに,注意を要します.
 今回の例では,界面の面積Sは,次のようになります.
 ・ふっ素樹脂コーティング鍋:SF=π×(35mm/2)^2=962mm^2
 ・ステンレス鍋:SS=π×(70mm/2)^2=3850mm^2

 よって,液滴を剥がすのに必要な総エネルギーの比は,次のように計算されます.
 ふっ素樹脂コーティング鍋/ステンレス鍋=(WF/WS)×(SF/SS)
 =0.65×(962÷3850)=0.16

 つまり,今回のケースでは,ふっ素樹脂コーティング鍋では,ステンレス鍋に比べて,約1/6のエネルギーで,液滴を剥がすことができる,ということになります.

【今回の結論】
 実際の鍋で実験をした結果,ふっ素樹脂コーティング有無による,濡れ性の違いを,定量的に比較できました.


【バックナンバー】
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ふっ素樹脂編・次の記事:フライパンの熱伝導率

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