今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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ワカメでダシをとらないのは,なぜ?~昆布とワカメ
【今日の料理】 2011/10/1 夕食
 今日は,妻は立正大学のオープンキャンパスへ.私と娘(7.5ヶ月)は,留守番です.娘は,ずっと元気で,昼寝もせず,遊んでいました.最近は,「つかまり立ち」がブームです.まだ「はいはい」しないので,つかまり立ちできるところに行きたがっては泣き,世話がやけます.
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★米飯

★魚介ダシダスープ,もやし・人参
 昨日の失敗料理,ゆで野菜(もやし・人参)を,スープにしました.

★ゴーヤチャンプルー
 具は,ニンニク・豚肉・ゴーヤ・豆腐・卵.味付けは,味王(ウェイユー)・だしの素.

★アスパラ
 スープと一緒に煮たものです.娘の離乳食に,刻んで与えました.

★里芋煮
 味付けは,だしの素・昆布・昆布つゆ.圧力鍋,加圧3分.仕上げにかつお節を入れて,ひと煮しました.

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【今日の料理工学】 ワカメでダシをとらないのは,なぜ?~昆布とワカメ
 前回に続き食材編,今日は「昆布」と「ワカメ」です.
 昆布とワカメは,いずれも海藻で,よく似ています.何が違うのか,調べてみました.


★昆布とワカメの違いは?
 まず,全般的な項目です.図1に比較して示します.
<図1>
20111001z1.jpg
[1]日本昆布協会;こんぶネット-こんぶ情報博物館
 http://www.kombu.or.jp/power/
[2]日本わかめ協会;わかめって何?
 http://www.nippon-wakame.com/html/wakame.html
 昆布とワカメは,生物学的には近縁のようです.ワカメは日本全国でとれますが,昆布は東北・北海道に限定されます.また,ワカメのほうが,昆布よりも浅いところに生育するようです.
 消費量(輸入品含む)は,ワカメの方が多いようです.


★昆布とワカメの栄養成分比較
 次に,栄養成分の比較です.図2は,3大栄養素とカロリーです.値は,文献[3]によります.昆布・ワカメとも,素干し(乾燥品)の,可食部100gあたりの値です.
[3]文部科学省;日本食品標準成分表2010
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm
<図2>
20111001z2.jpg
※昆布は「マコンブ」の値.
 図2を見ると,昆布はワカメよりも,多少ながら炭水化物が多く,たんぱく質が少ないようです.

 海藻は,ビタミン・ミネラルが豊富とされています.そこで,主要なビタミン・ミネラルの含有量も,文献[3]で調べました.ただ,ビタミンやミネラルは微量なため,絶対量を比較しても,あまり意味がありません.そこで,日本人の1日の推奨摂取量(30-49歳男性)[4]に対する比率[%]として示しました.昆布・ワカメとも,素干し(乾燥品)の,可食部100gあたりの値です.
[4]「日本人の食事摂取基準」(2010年版),厚生労働省,(2009)
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html
<図3>
20111001z3.jpg
※昆布は「マコンブ」の値.「ワカメ・素干し」のヨウ素は値が記載されていなかったので,「ワカメ・水戻し」のヨウ素量を元に,次式で推算した:素干しのヨウ素量=水戻しのヨウ素量×(素干しのカロリー÷水戻しのカロリー).
 図3を見ると,昆布・ワカメとも,次の成分が豊富に含まれています.
 ・カルシウム
 ・鉄
 ・カリウム
 ・ヨウ素
 上のほかに,ワカメには,ビタミンAやビタミンB2も豊富なようです.

 以上のように,昆布とワカメ,どちらも,栄養豊富であることは間違いなさそうです.ネット情報を見ると,昆布のほうが,ワカメよりも栄養があるという誤解もあるようですが,そんなことはありません.むしろ,ワカメの方がみそ汁の具・サラダなど使いやすく,量をとりやすいと思われますので,栄養食品としては優れているかもしれません.


★ワカメでダシをとらないのは,なぜ?
 昆布には,いろいろな種類があります[1].代表的なものは,
 ・真昆布(まこんぶ)   :最高級品.ダシ用.
 ・羅臼昆布(らうすこんぶ):最高級品.ダシ用.
 ・利尻昆布(りしりこんぶ):高級品.ダシ用.
 ・日高昆布(ひだかこんぶ):ダシ用,食用.煮えるのが早い.
 ・長昆布(ながこんぶ)  :食用.肉厚で,昆布巻きに向く.
 私は,今まで知りませんでしたが,昆布は,種類によって,ダシ用と食用があるようです.ダシ用の昆布でも,ダシをとった昆布にも栄養が残っているそうなので,捨てるのはもったいないとのことです[1].

 ところで,昆布と違い,ワカメでは,ダシをとりません.なぜ,ダシをとらないのでしょうか.

 昆布のうまみ成分は,「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」などのアミノ酸だと言われています.そこで,これらのアミノ酸の量を,昆布とワカメで比較してみました.食品中のアミノ酸の量は,文献[5]に掲載されています.
[5]文部科学省;日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298881.htm
 文献[5]には,ワカメは,「ワカメ・塩蔵」の値しか記載されていません.そこで,次のようにして,「ワカメ・素干し」の値を,推算しました.
 素干しのアミノ酸量=塩蔵のアミノ酸量×(素干しのたんぱく質量÷塩蔵のたんぱく質量)
 ※素干しのたんぱく質量は,文献[3]を参照した.これによると,可食部100gあたり,
  ・塩蔵のグルタミン酸=440mg,アスパラギン酸=390mg
  ・塩蔵のたんぱく質=4.1g,素干しのたんぱく質=13.6g

 この結果,可食部100g中のグルタミン酸およびアスパラギン酸の量は,次の通りでした.
 ・昆布(マコンブ):グルタミン酸=1700mg,アスパラギン酸=1000mg
 ・ワカメ     :グルタミン酸=1500mg,アスパラギン酸=1300mg
 つまり,ワカメにも,昆布に匹敵するグルタミン酸やアスパラギン酸が含まれているのです.では,なぜダシがとれないのか?
 理由として考えられるのは,以下です.
・ワカメでダシをとろうとすると,ワカメが溶けてしまい,ヌメりや雑味が出てしまうのかもしれません.昆布でダシをとるときは,ヌメりや雑味を出さないように,湯を沸騰させないなどの注意が必要です[1].ワカメは,雑味が出やすいのかもしれません.
・昆布では,グルタミン酸やアスパラギン酸以外の成分のバランスがよく,ダシの味が良いのかもしれません.うまみ成分といっても,アミノ酸だけではなく,糖質などの影響もありそうです.
・塩蔵ワカメのアミノ酸量から,素干しワカメのアミノ酸量を推算した方法に,問題があるのかもしれません.(例えば,素干しにする工程で,グルタミン酸やアスパラギン酸が抜けてしまうのかもしれません.)

 しかし,正確な理由は,よく分かりません.一度,ワカメでダシをとってみたい気がします.

 このあと、実際にダシをとりました。詳細は、→こちら


(補足) 2011/10/2
 本記事では当初,「グルタミン酸」を「イノシン酸」と記載してしまいました.訂正します(数値は変更なし).ちなみに,イノシン酸は,かつお節のうまみ成分で,アミノ酸ではないので,文献[5]には記載されていません.

(補足2) 2012/5/6
 市販されているワカメ(いわゆる「カットワカメ」)は、一般的には「湯通し塩蔵ワカメ」のようです。これは、「素干しワカメ」とは違います。「湯通し塩蔵ワカメ」は、いったん茹でた後に、乾燥させたもののようです。この茹でる工程で、ワカメの旨み成分が抜けてしまっている可能性がありそうです。つまり、「カットワカメ」は、ダシがらになったワカメなのかもしれません。カットワカメでは、昆布のようなダシは期待できません(次回の実験を参照)。


【今回の結論】
 昆布とワカメは近縁な海藻で,どちらも栄養豊富です.
 昆布はダシをとるのに使いますが,ワカメではダシはとりません.しかし,その理由は不明です.


タイトルに興味をひかれて読んでくださった方,解決せずに申し訳ありません.そんな貴方は,ワカメでダシをとって育休おじさんに教えてください.あるいは,応援クリックお願いします.
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グルタミン酸
昆布ダシのうま味成分って、まずは「グルタミン酸」なので、そのアミノ酸組成比に着目すれば疑問は解決しますよ。池田菊苗博士が昆布から発見したUMAMIは海外でも通じる言葉の一つです。でも、博士は特許(「味の素」の製法)をとってしまったので、ノーベル化学賞を逃したとも言われています。
ブルン | URL | 2011/10/02/Sun 09:36 [編集]
> ブルン さん
 コメントありがとうございます.
 グルタミン酸と書くべきところを,イノシン酸と書いていました.訂正しておきました.(数値は変更ありません.イノシン酸は,かつお節のうまみ成分でした.)
 我が家は「味の素」はありませんが,グルタミン酸入りの「本だし」を愛用しています.やはり化学調味料入りは,旨みが優れているように感じます.
マツジョン | URL | 2011/10/02/Sun 10:14 [編集]



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