今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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ガラスが割れやすいのはなぜ?~破壊じん性値KIC
【今日の料理】 2011/10/28 夕食
 今日は,深田恭子さん出演のドラマ「専業主婦探偵~私はシャドウ」[1]が放映される日です.私は,深田恭子さんが,好きです.しかし,妻と深田恭子さんを比べれば,もちろん妻を愛しています.いや,比べるのが失礼というものでしょうか(どちらに失礼かは,明言せずにおきます).
[1]TBS;専業主婦探偵~私はシャドウ
http://www.tbs.co.jp/syuhutan/
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★鶏つみれ鍋
 妻の手づくりの鶏つみれです.鶏挽肉に,しょうが・ニンニク・片栗粉を加えて,こねたそうです.鍋の材料は,人参・白菜・豆腐・春菊です.味付けは,本だしだけなので,ポン酢しょうゆで頂きました.鍋の後には,うどんを入れて食べました.
 娘の離乳食にも,この鍋を与えました.


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【今日の料理工学】 ガラスが割れやすいのはなぜ?~破壊じん性値KIC
 前回まで,ガラス食器の破壊について,考察してきました.
 疑問に思うのが,なぜ,ガラス食器ばかり割れてしまうのか,ということです.金属(鋼,アルミなど)やプラスチックの食器は,めったに割れません.陶磁器の食器も割れますが,我が家の場合,ガラスに比べて頻度はそれほど高くない気がします.
 これは,ガラスが「もろい」ためと考えられます.材料の「もろさ」を示す言葉には,次の2つがあります.
 ・ぜい性(脆性):材料の,もろい程度.
 ・じん性(靭性):材料の,もろくない程度.
 つまり,ガラスは「もろい」=「ぜい性が高い」=「じん性が低い」,と言い表せます.


★材料のじん性を示す指標「破壊じん性値」
 材料の強度を考える際,次の2つの視点があります[2].
 a)内部に欠陥のない材料の強度
 b)内部に欠陥のある材料の強度
[2]日本材料学会編;材料強度学,日本材料学会,(1994)

 a)は,「引張強度」や「曲げ強度」で,ほぼ均質とみなせる材料の強度です.機械屋が「強度」といえば,普通はこちらを指すことが多いと思います.
 対して,b)は,材料内部に欠陥があるときの強度です.材料内部に,き裂(亀裂)状の欠陥があると,一定以上の荷重を受けた際に,急速にき裂が進展(伝ぱ)して,破損にいたることがあるそうです[2].同じ荷重を受けていても,材料によって,き裂が進展しやすいものと,しにくいものがあります.き裂の進展のしづらさを示す指標が,「破壊じん性値(fracture toughness value)」です.破壊じん性値は,き裂先端近傍の応力状態を代表するパラメータ「応力拡大係数」を基礎として,導かれるようです.
 破壊じん性値には,き裂の位置や,荷重とき裂の向きの違いによって,いろいろな種類があるようです.これらのうち,「平面ひずみ破壊じん性値」が,設計上よく使われるようです[2].この値は,ASTM(American Society for Testing and Materials)などで規定された試験で,実験的に求めることができます.また,平面ひずみ破壊じん性値は,記号「KⅠC」(Ⅰはギリシア数字)で表されるのが,慣例のようです.
 平面ひずみ破壊じん性値KⅠCが大きいほど,き裂を進展させるために必要な荷重が大きくなります.すなわち,KⅠCが大きいほど,き裂が進展しにくい,「じん性が高い」材料と言えます.


★いろいろな材料の破壊じん性値
 下図1のように,材料が一様な応力σ[MPa]を受けている状態を考えます.材料内部のき裂の長さを2a[m]とします.
<図1>
20111028z1.jpg
 応力σが,次式1の値となると,急速にき裂が進展し,破損に至ります[2](これが,KⅠCの定義です).ここで,KⅠCの単位は,[MPa・m^0.5]です.
<式1>
20111028s1.jpg
 いろいろな材料の引張強度およびKICは,次のようになっています.ガラス以外は,実際に食器に使われる材料とは,だいぶかけ離れている気がしますが,これらの値しか見つかりませんでした.また,本当はプラスチック材料も調べたかったのですが,値を見つけられませんでした.
●アルミニウム合金,A2024-T4(超ジュラルミン)
・引張強度: 324[MPa]    …[2]
・KⅠC :49.5[MPa・m^0.5] …[2]
●鋼材,AISI4340(クロムモリブデン鋼・焼入れ焼戻し,航空機用?)
・引張強度:1656[MPa]    …[2]
・KⅠC :61.5[MPa・m^0.5] …[2]
●ガラス,ソーダ石灰ガラス(普通のガラス)
・曲げ強度: 49[MPa]    …[4]
・KⅠC :0.75[MPa・m^0.5] …[3]
●セラミック,アルミナ(Al2O3)
・曲げ強度:400[MPa]    …[2]
・KⅠC : 5[MPa・m^0.5] …[2]
[3]松岡;ガラスの破壊における水分の効果,NEW GLASS,v.21,n.3,(2006)
http://www.newglass.jp/mag/TITL/maghtml/82-pdf/+82-p041.pdf
[4]日本板硝子;ガラス建材 総合カタログ
http://glass-catalog.jp/gijyutsu/index.html


★ガラスが破壊しやすい理由は
 上の値を用いて,欠陥長さaと材料強度σBの関係を求めました.材料強度σBは,次のように計算しました.
)任意の欠陥長さaに対して,式1でσを計算する.
)σ≦引張強度(or曲げ強度)のときは,σB=σとする.
  σ>引張強度(or曲げ強度)のときは,σB=引張強度(or曲げ強度)とする.
 結果を,下図2に示します.横軸は欠陥長さa,縦軸は強度σBです.
<図2>
20111028z2.jpg
 また,下図3は,図2の縦軸の強度を,引張強度(or曲げ強度)との比で表したものです.
<図3> 
20111028z3.jpg
 この結果から,強度が引張強度(or曲げ強度)の半分になるような欠陥の長さは,次のようになります.
 ・アルミ  :約50mm
 ・鋼材   :約5mm
 ・ガラス  :約0.5mm
 ・セラミック:約0.5mm
 ガラスやセラミックなどの「ぜい性材料」では,小さな欠陥でも,大きく強度が低下すると言えそうです.ガラス食器の使用に伴って,ガラス表面のキズは,避けられません.キズは,すなわち欠陥ですから,ガラスの強度を大きく下げる可能性があります.
 さらに,ガラスは,金属材料やセラミックと比べると,もともとの強度があまり高くないので,より破壊が生じやすいと,考えられます.


【今回の結論】
 ガラス食器が破損しやすいのは,次の2つが原因と考えられます.
 ・もともとの強度(引張強度や曲げ強度)が,それほど高くない.
 ・表面の小さなキズでも,強度が低下しやすい(じん性が低い).
 ガラス食器の破損を防ぐには,表面にキズをつけないことが,重要そうです.


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ガラスの強度
大変興味ブログで、時々読ませていただいています。ガラスも温度が高くなると飴のようになるとか、強化ガラスは割れにくいとか興味は尽きませんね。こんど「破壊のサイエンス」をテーマに本を書こうと思っています。こちらのブログの視点は大いに参考になります。勉強させていただきます。
SUBAL | URL | 2011/10/29/Sat 09:50 [編集]
>SUBAL さん
 コメントありがとうございます.
 日常生活の中でも,包丁が切れなくなるとか,フライパンのふっ素樹脂が剥がれるとか,卵をうまく割るとか,「破壊」がらみの話題は,たくさんあるように感じます.
 破壊力学に関しては,はるか昔に教科書をかじった程度で,勉強しなおしながら,記事を書きました.材料の破壊について詳しい方から見ると,でたらめを書いてしまっているかもしれません.勉強中ということで,ご容赦ください.
マツジョン | URL | 2011/10/29/Sat 23:49 [編集]



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