今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

omocha201612.jpg
↑↑↑画像クリックで、我が家のおもちゃを紹介します!↑↑↑
炒め物に適した鍋は?~厚手鍋と薄手鍋の温度比較
【今日の料理】 2011/12/16 夕食
 今日は,娘(10.1ヶ月)は,インフルエンザの予防接種でした.注射前の診察で,お腹を出したところで,大泣きしてしまいました.その後,注射が終わるまで,泣き続けました.ずっと泣いていたので,娘が注射をどう感じたのかは,いまいち分かりませんでした.
 知らない人の前でお腹を出すと大泣きするのは,身の危険を防ぐために,本能的に備わったものかもしれません.お腹をさらして笑っていたら,危険ですね.
CIMG7368.jpg
★米飯

★豆乳シチュー
 玉ねぎ・人参・じゃがいもを,圧力鍋で加圧3分.その後,しめじ・白菜・鮭を加えて煮ました.ルウは,ハウス北海道シチュー「コーンクリーム」です.仕上げに,豆乳を入れました.妻には,評判が良かったです.

★ほうれん草ごまあえ

「今日の料理」へのコメント,お待ちしております.
→こちら

↓↓↓ポチッと応援,ポチ子ちゃん!↓↓↓
にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
にほんブログ村


【今日の料理工学】 炒め物に適した鍋は?~厚手鍋と薄手鍋の温度比較
 前回は,薄手鍋と厚手鍋で,湯沸しのときに消費するエネルギーを比較しました.その結果,湯沸しでは,薄手鍋が有利だと分かりました.
 では,厚手鍋は,どういった場合に有利なのでしょうか.

 厚手鍋が有利な場合として,「炒め物」が考えられます.厚手鍋は,鍋に多くのエネルギー(熱量)を蓄えられます.このため,炒め物の材料や調味料を投入しても,投入時の温度の低下が少なくて済むと,考えられます.炒め物の温度が低下すると,水分が蒸発せず,煮物のように水っぽくなってしまいます.
 今回は,「温度が低下しにくい」という点で,厚手鍋がどれくらい優れているか,考察してみます.


★鍋の温度変化を調べる
 次のような調理手順を考えます.
手順)出力W[W]のガスコンロで,空の鍋を温める.
手順)温度がTp[℃]になったところで,一定量の水を投入する.
 (この水は,調味料を意図しています.)
  そうすると,鍋の温度は低下する.
手順)再び,温度がTp[℃]に戻るまで,鍋を加熱する.

 この手順において,以下を調べます.こららの値を,薄手鍋と厚手鍋で,比較してみます.
 ・鍋が温度Tp[℃]に温まるまでの時間t0[s].
 ・水を投入したときの,鍋の温度Tp'[℃].
 ・水を投入してから,温度がTp[℃]に戻るまでの時間te[s].

 検討において,以下を仮定します.
・鍋は,場所によらず一定温度とする(温度分布の偏りがないとする).
・鍋と水は,常に同じ温度だとする.
・水を入れた瞬間に,水と鍋は同一温度になるとする.
・水の蒸発によって持ち去られる以外には,鍋と水の熱は外部に逃げないとする.

 用いる薄手鍋と厚手鍋は,次のものとします.材質は,いずれもステンレス(密度=7.8×10^-6[kg/mm^3]…[1])です.また,鍋の直径および高さは,全て同一で,次の値とします.(前回検討した鍋と同じ寸法です.)
 ・直径:200mm
 ・高さ:100mm
[1]黒崎他;伝熱工学,コロナ社,(2009)

a)薄手鍋
 ・底面厚さ:0.5mm
 ・側面厚さ:0.5mm
 ・質量  :mp=0.37kg
b)厚手鍋
 ・底面厚さ:4mm
 ・側面厚さ:4mm
 ・質量  :mp=2.9kg
※質量の計算方法は,前回の記事を参照ください.

 物性値は,以下とします.これらの値は,文献[1]によります.
 ・ステンレスの比熱:cp=460[J/kg・K]
 ・水の比熱    :cw=4200[J/kg・K]
 ・水の蒸発熱   :qv=2.4×10^6[J/kg]

 ガスコンロの出力(効率を考慮)W[W]は,前回と同様に,以下とします.
 ・W=総出力3000[W]×効率0.3=900[W]

 その他,以下のように決めます.
 ・水の量       :mw=15[g]=0.015[kg]…大さじ1杯の調味料を想定
 ・水および鍋の初期温度:T0=20[℃]
 ・鍋の予熱目標温度  :Tp=200[℃]

 以上の条件の下で,鍋の温度変化を調べてみます.


★結果a)薄手鍋の場合
●手順:鍋の予熱
 この手順では,鍋の温度を,T0[℃]→Tp[℃]まで,予熱します.
 予熱に要する時間t0[s]は,次式1で求められます.
<式1>
 t0=cp×mp×(Tp-T0)÷W
 ここで,
 ・cp:鍋の材料(ステンレス)の比熱[J/kg・K]
 ・mp:鍋の質量[kg]
 ・W :ガスコンロの出力[W]
 数値を入れて計算すると,t0=33.8[s],となります.

●手順:水の投入
 この手順では,質量mw[kg]の水を投入します.
 投入された水は,沸点である100℃に向かって温められます.同時に,鍋は温度が下がります.水が100℃に達した後に,まだ鍋の温度が100℃を超えていれば,水の一部は蒸発します.
 初期温度T0[℃]の水を,100℃まで加熱するために必要なエネルギーEw[J]は,次式2で計算できます.
<式2>
 Ew=cw×mw×(100-T0)
 ここで,
 ・cw:水の比熱[J/kg・K]
 ・mw:水の質量[kg]
 数値を入れて計算すると,Ew=5040[J],となります.
 このエネルギーEw[J]は,予熱した鍋から得られたものです.水にEwを与えると,鍋の温度がTp1[℃]まで下がります.この温度は,次式3で計算できます.
<式3>
 Ew=cp×mp×(Tp-Tp1)
 ∴Tp1=Tp-Ew/(cp×mp)
 数値を入れて計算すると,Tp1=170[℃],となります.まだ,鍋は100℃を超えています.したがって,100℃になった水を,蒸発させることができます.
 蒸発させられる水の量mv[kg]は,次式4で計算できます.(鍋の水を,可能なだけ蒸発させた後は,鍋の温度は100℃になります.)
<式4>
 mv×qv=cp×mp×(Tp1-100)
 ここで,
 ・qv:水の蒸発熱[J/kg]
 数値を入れて計算すると,mv=0.00494[kg],となります.つまり,mw-mv=0.0101[kg]は,蒸発せずに残っています.水(液相)が残っているので,このときの鍋の温度は,Tp'=100[℃]です.

●手順:再加熱
 加熱を続けると,残った水が蒸発します.残った水を蒸発させるのに必要な時間t2[s]は,次式5です.
<式5>
 t2=(mw-mv)×qv÷W
 数値を入れて計算すると,t2=26.8[s],となります.
 水が全て蒸発すると,鍋の温度が上昇し始めます.水が蒸発してから,鍋の温度をTp[℃]に戻すのに要する時間t3[s]は,次式6です.
<式6>
 t3=cp×mp×(Tp-100)÷W
 数値を入れて計算すると,t3=18.8[s],となります.
 以上から,水を投入してから,鍋の温度がTp[℃]に戻るまでの時間te[s]は,te=t2+t3=45.6[s],となります.
 

★結果b)厚手鍋の場合
●手順:鍋の予熱
 予熱に要する時間t0[s]は,薄手鍋の場合と同様,式1で計算できます.数値を入れて計算すると,t0=270[s],となります.

●手順:水の投入
 まず,初期温度T0[℃]の水を,100℃まで加熱するために必要なエネルギーEw[J]は,薄手鍋と同じく,Ew=5040[J],です.
 このときの鍋の温度Tp1[℃]は,式3で計算できます.数値を入れて計算すると,Tp1=196[℃],となります.まだ,鍋は100℃を超えています.したがって,100℃になった水を,蒸発させることができます.
 蒸発させられる水の量mv[kg]は,式4です.結果は,mv=0.0542[kg],となります.これは,初期の水の量mw=0.015[kg]を超えます.すなわち,全ての水を蒸発させることができます.全ての水を蒸発させた後の鍋の温度Tp’[℃]は,次式7となります.
<式7>
 cp×mp×(Tp1-Tp’)=qv×mw
 ∴Tp’=Tp1-qv×mw÷(cp×mp)
 数値を入れて計算すると,Tp’=169[℃],となります.


●手順:再加熱
 厚手鍋の場合は,薄手鍋の場合と異なり,投入した水は,全て蒸発しています.したがって,加熱を続けると,すぐに鍋の温度が上昇していきます.鍋の温度をTp[℃]に戻すのに要する時間te[s]は,次式8です.
<式8>
 te=cp×mp×(Tp-Tp')÷W
 数値を入れて計算すると,te=45.6[s],となります.


★厚手鍋は,温度が低下しにくい!
 以上の結果をまとめたのが,下図1です.横軸は時間,縦軸は鍋の温度です.薄手鍋と厚手鍋を,比較しています.
<図1>
20111216z1.jpg
※図中,「余熱」は,正しくは「予熱」です.(誤字でした.)
 手順の予熱では,薄手鍋の方が,速やかに目標温度200℃まで到達しています.
 しかし,手順で水を投入すると,薄手鍋は100℃まで温度が落ちてしまいます.水によって,熱が奪われるためです.100℃の状態は,水が全て蒸発するまで,27秒間続きます.水が蒸発すると,ようやく鍋の温度が上がり始めます.
 これに対して,厚手鍋では,水を投入しても,温度は170℃までしか下がりません.鍋が十分な熱を蓄えているので,投入された水は,全て蒸発してしまいます.このため,すぐに鍋の温度は上昇し始めます.

 以上のように,薄手鍋では,少量の水(調味料など)を加えただけで,温度が大きく落ちてしまいます.このことは,炒め物の最中には,致命的です.温度が低くなって,水が蒸発しないと,炒め物でなく,煮物になってしまうからです.水っぽい炒め物は,おいしくありません(私の炒め物は,水っぽいことが,よくありますが).

 これに対して,厚手鍋では,少量ならば水を加えても,あまり温度は下がりません.このため,炒め物が水っぽくなることなく,おいしく作れると考えられます.
 なお,厚手鍋でなく,大きい鍋を使ったり,より高い温度まで予熱したりしても,水が残るのを防ぐ作用が得られると,考えられます.(中華料理店では,大きな中華鍋を,ガンガンに予熱しているようです.)


【今回の結論】
 厚手鍋は,薄手鍋よりも多くの熱量(エネルギー)を,蓄えられます.このため,調味料や材料を投入したときの温度の低下を,少なくできます.高い温度を保つことで,炒め物が水っぽくなることを防げます.
 したがって,炒め物には,厚手鍋が好適と考えられます.


料理を始めて間もなくの頃,フライパンを加熱しすぎて,煙を派手に立ち上らせてしまいました.それ以来,鍋を予熱するのが怖くてたまりません.
応援よろしくお願いします.
↓↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト
omocha201612.jpg
↑↑↑画像クリックで、我が家のおもちゃを紹介します!↑↑↑









管理者にだけ表示を許可する


はじめまして
料理日記に遊びに来ていただき、ありがとうございます。
美味しそうな豆乳シチューですね。
寒い夜にはぴったりの、あったかおかずですね。
しかし、難しいことがいっぱい!!文系の私にはさっぱり…。でも、面白いです。
また、遊びに来させていただきます。
好++料理日記… | URL | 2011/12/16/Fri 23:06 [編集]
> 好くん! さん
 コメントありがとうございます.

 シチューは,一品だけでも形になるので,助かります.私は段取りが悪いので,一品作るだけで,せいいっぱいです.
 毎日,何品も入った素敵なお弁当を作る方を,とても尊敬しています.
マツジョン | URL | 2011/12/16/Fri 23:27 [編集]
こういう、理屈っぽいアプローチ、めっちゃくちゃ好きです!
楽しみにしています!!
パパ志郎 | URL | 2011/12/17/Sat 04:22 [編集]
こんにちわ。

クリームシチューに鮭って!!!
すっごい美味しそうですね。
参考になりました。

今度作るときやってみまーす♪
もか | URL | 2011/12/17/Sat 12:30 [編集]
> パパ志郎 さん
 コメントありがとうございます。
 「理屈に始まり、理屈に終わる」がポリシーです。結論が出ないことも多いですが、適当にお付き合いくだされば幸いです。
マツジョン | URL | 2011/12/17/Sat 18:59 [編集]
> もか さん
 コメントありがとうございます。
 クリームシチューに鮭は、妻のリクエストです。いつも煮過ぎて崩してしまうので、今回は最後に入れて軽く煮るだけにしたら、うまくいきました。
 今の時期、魚がおいしいですよね。
マツジョン | URL | 2011/12/17/Sat 19:03 [編集]



トラックバック
TB*URL







Copyright © 今日のおじさん、なに食べました? (仮). all rights reserved.