今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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煮物に味が染みるのは,なぜ?~拡散方程式を解く
【今日の料理】 2011/5/28 夕食
 今日は,兄夫婦と姪(3歳10ヶ月)が,はるばる神奈川から,娘(3.5ヶ月)を見に,やってきました.彼らは多忙なので,「今日を逃したら次は正月だから」ということで,何とか都合をつけてくれました.ありがたいことです.
 姪は,ずっと忙しく動き回り,「何で~なの?」と聞いていました.たまに来客があると,賑やかで良いものです.兄夫婦と姪は,寿司とピザと食べ,シュークリームを食べ,帰って行きました.2時間ほどの滞在なので,食べて帰っただけ,という感じです.あわただしいですが,片道3時間の長旅ですので,仕方がありません.
 今日の夕食は,兄夫婦と姪に出したものの余りなので,かなり「崩壊した食卓」感を,醸し出しています.


★米飯,黒米入り

★ちらし寿司セット
 近所の京樽で購入しました.

★ピザ
 ピザハットで頼みました.「ハットクオリティ4」と「ハットテイスト4」のセットです.ピザを頼むのは,何年ぶりでしょうか.久しぶりに食べると,おいしいものです.

★ソーキ(豚軟骨しょうゆ煮)
 大量(1kg)に作りましたので,まだ残っています.時間が経つと,味が染みて美味です.

★りんご

【今日の料理工学】 煮物に味が染みるのは,なぜ?~拡散方程式を解く
 前回は,室温,普通鍋調理,圧力鍋調理,で,調味液の染みる速さを比較しました.その結果,温度の染みる速度への影響は,20℃につき1.1倍程度で,あまり大きくないことが,分かりました.

 では,そもそも「味が染みる」とは,どのような現象なのでしょうか.

★味が染みる現象のモデル
 材料を拡大したモデルを,下図1のように考えます.材料内部には,固形部と,空隙部があると考えられます.肉・野菜などの多くの食用材料では,空隙部には,水が入っています.
 このような材料を,調味液に漬けると,調味液内の分子(砂糖,塩,アミノ酸,色素など)が,材料内部の空隙に入っていきます.分子は,濃度が高いところから,低いところに進む性質があるからです.このような分子の移動を,「拡散」と呼びます.
 このように,拡散によって,調味液の分子が,材料内部に進むことで,材料に味がつく,と考えられます.これが,「味が染みる」という現象です.
<図1>
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 前回の実験結果では,下ゆでした材料では,下ゆでしない材料よりも,調味液が染みやすい,という結果でした.これは,次のように解釈できます.
 すなわち,下ゆでをすると,材料内部の固形部が破壊されます.これによって,固形部が細かくなり,空隙部が増します.そうすると,空隙部を通って,調味液が染みやすくなると考えられます.イメージを,下図2に示します.
<図2>
z20110528z2.jpg

★味の染みの定式化
 では,「味の染み」の,数学的モデルを考えてみます.
 下図3のような,1次元モデルを考えます.このモデルでは,x≧0に,材料があります.x<0の部分は,調味液で,その濃度c0[kg/m^3]は,一定に保たれています.
<図3>
z20110528z3.jpg
 このモデルにおいて,濃度c[kg/m^3]の分布および時間変化は,次式1にしたがいます.
<式1>
z20110528s1.jpg
 ここで,
 x:位置[m]
 t:時間[s]
 D:拡散係数[m^2/s]

 式1を,「拡散方程式」などと呼びます.この式1は,解析的に解けないことはなさそうです.しかし,筆者の能力の制限から,数値計算に頼ることにします.

 式1を見ると,当ブログの哺乳ビンの数値解析で用いた,熱伝導の式と,まったく同じ形をしています.したがって,哺乳ビンの数値解析で用いた数値解析手法を,「味の染み」モデルにも,そのまま適用可能です.
 哺乳ビンの場合と同様に,離散化をすると,次式2が得られます.
<式2>
z20110528s2.jpg
 ここで,
 ・c0:注目する短冊の濃度[kg/m^3]
 ・c+:注目する短冊の右隣(+x側)の短冊の濃度[kg/m^3]
 ・c-:注目する短冊の左隣(-x側)の短冊の濃度[kg/m^3]
 ・Δx:短冊の幅[m]
 ・Δt:解析のキザミ時間[s]
 
 計算条件は,以下の通りとしました.
 ・短冊の幅:Δx=0.0005[m](=0.5[mm])
 ・キザミ時間:Δt=0.2[s]
 ・拡散係数:D=5×10^-9[m^2/s]
 また,図3のモデルでは,x→∞まで,材料が存在します.しかし,数値計算では,材料を有限の長さとする必要があります.そこで,材料の右端を,十分遠方と思われるx=30[mm]としました.そして,右端での濃度=0[kg/m^3]で一定としました.

 以上の計算条件で,材料内部の濃度分布の変化を計算しました.計算結果を,図4に示します.横軸が位置x[mm],縦軸が濃度c(調味液濃度c0に対する比),です.いくつかの時間t[s]での分布を,示しました.
<図4>
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 位置=2mm(表面から2mm)に注目すると,以下のように濃度が変化しています.
 ・時間t=0s:濃度=0
 ・時間t=200s(=3.3min):濃度≒0.2
 ・時間t=600s(=10min):濃度≒0.5
 ・時間t=1200s(=20min):濃度≒0.6


 以上のように,式1を用いて,材料内部の濃度を計算できました.この計算上,キモになるのは,拡散係数Dです.拡散係数は,以下によって変化すると思われます.
 ・調理温度:温度が高いほど,Dが大きい(染みやすい).
 ・材料の種類:身が詰まっていない材料ほど,Dが大きい(染みやすい).
 ・調味液の種類:分子が小さい調味液ほど,Dが大きい(染みやすい).


【今回の結論】
 材料への「味の染み」は,拡散方程式によって,予測することができます.


【バックナンバー】
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煮物編・次の記事:温度と染みる速さ

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