今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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レンズ実験10~カメラのピントとボケの大きさ
【今日の夕食】
 今日の妻は、1日休み、病院とネットカフェでした。私と娘(2歳5ヶ月)は、図書館に出かけた後、家の中で地味に遊びました。妻の帰りが遅くなったため、スーパー惣菜です。
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★中華弁当(スーパー惣菜)

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【今日のおじさん】 レンズ実験10~カメラのピントとボケの大きさ
 4月に新しいカメラ(オリンパスTG-630、防水コンデジ)を買ってから、レンズに興味を持つようになりました。少し前から、いくつかのレンズ実験を記事にしています。
 1)虫メガネの曲率半径を測る    →こちら
 2)レンズに入る光と出る光の関係  →こちら
 3)虫メガネ&懐中電灯で投影機遊び →こちら
 4)カメラのボケやすさを決めるもの →こちら
 5)F値が小さいほど明るい理由   →こちら
 6)焦点距離がズームと画角を決める →こちら
 7)カメラの「絞り」とボケやすさ  →こちら
 8)露出の3要素と画面の明るさ(輝度)  →こちら
 9)撮像素子サイズとノイズ(SN比)  →こちら


 今回は、写真の演出において重要な「ボケ」について書きます。
 ボケをうまく利用することで、写真の主題を明確にできます。ボケを予測できれば、狙い通りの写真が撮れるようになるはずです。


★ボケた像の大きさ
 まず、下図1の通り、ピントが合っている場合を考えます。レンズから距離L1[mm]に、直径d1[mm]の被写体があるとします。レンズからの距離L2[mm]の位置で、ピントが合い、像が結ばれます。この像のサイズは、d2o[mm]とします。カメラでは、L2の位置(壁面)に撮像素子(CCD、CMOSイメージセンサなど)を配置します。
<図1>
20130720z1.jpg
 図1において、次式1、2が成り立ちます。これらは、レンズの基本式として、以前の記事で示しました(→こちらの記事)。式1は焦点距離f[mm]とピント位置の関係、式2は被写体と投影像のサイズの関係です。
20130720s02.jpg <式1>
20130720s21.jpg <式2>

 次に、ピントが合わない場合を考えます。ピントが合わない場合には、像にボケが生じます。この場合、像がピントが合う場合に比べて、像のサイズは大きくなります。被写体からレンズの距離C1[mm]が、図1のL1に比べて大きくなっても小さくなっても、ピントが合いません。
 下図2は、L1の距離にピントがあった状態で、L1よりも近い距離C1(C1<L1)の被写体を見た場合です。像は、撮像素子(壁面)よりも遠くで結ばれます。このため、撮像素子の位置では、像の輪郭ははっきりとせず、ひと回り大きく見えます。いわゆる「前ボケ」です。
<図2>
20130720z2.jpg
 逆に、下図3は、L1の距離にピントがあった状態で、L1よりも遠い距離C1(C1>L1)の被写体を見た場合です。この場合、像は撮像素子よりも手前で結ばれます。撮像素子の位置では、やはり像の輪郭がぼやけて、像のサイズが大きく見えます。これは「後ボケ」と呼ぶことにします。
<図3>
20130720z3.jpg
 ピンボケの場合の像のサイズd2’[mm]は、次式3で表せます。(この式の導出過程は、→こちらの記事
20130720s01.jpg <式3>
 式1から、式3は次式4のように書けます。
20130720s03.jpg <式4>
 式4は、ピントが合う場合、前ボケの場合、後ボケの場合で、次のように書けます。
a)ピントが合う場合(C1=L1)
20130720s04.jpg <式5>
b)前ボケの場合(C1<L1)
20130720s05.jpg <式6>
c)後ボケの場合(C1>L1)
20130720s06.jpg <式7>
 上式5~7において、f/L1<<1として、微小量xに対する近似式 (1+x)^n≒1+nx、および 1+x≒1 を用いています。実際のカメラ(コンデジ)では、例えばf=10mm、L1=500mmなどで、f/L1<<1は妥当です。

 また、式6、7は、次式のようにも書けます。
b)前ボケの場合(C1<L1)
20130720s31.jpg <式8>
c)後ボケの場合(C1>L1)
20130720s32.jpg <式9>
 式8、式9の第1項は、C1位置でピントを合わせた場合の像のサイズです。そして第2項が、ボケによるサイズの増加です。式8と式9より、次のことが分かります。
・ボケた像のサイズは、焦点距離f[mm]に比例する。
・ボケによるサイズ増加量は、レンズ直径D[mm]に比例する。

 なお、F値(=f/D)とボケは、次のような関係になります。
 ・同じ焦点距離の場合、F値が小さいほど、ボケによるサイズ増加が大きい。
  =同じレンズでは、絞りを開く(開放する)ほど、ボケやすくなる。
 ・同じF値でも、焦点距離fとレンズ径Dによって、ボケの程度は異なる。
 異なるレンズ間でのボケやすさの比較には、F値でなく焦点距離fとレンズ径Dを用いるのが妥当です。


★ピント位置からのズレ量とボケの大きさ
 ピント位置から離れるほど、ボケによるサイズ増加量は大きくなります。しかし、レンズからの距離が遠いほど、ボケを除く像のサイズ(f×d1/C1)は小さくなります。このため、前ボケと後ボケで、ピント位置からのズレ量とボケ量の傾向が異なります。すなわち、
b)前ボケ:
 ・ピント位置から手前に来るほど、ボケのサイズが大きくなる。
 ・ピント位置から手前に来るほど、ボケを除く像のサイズも大きくなる。
 ・したがって、ピント位置から手前にくるほど、像全体のサイズは大きくなる。
c)後ボケ:
 ・ピント位置から奥に行くほど、ボケのサイズが大きくなる。
 ・ピント位置から奥に行くほど、ボケを除く像のサイズは小さくなる。
 ・被写体サイズd1>レンズ有効直径Dのときは、
  ・ボケのサイズ増加<ボケを除く像のサイズ減少となる。
  ・したがって、ピント位置から奥に行くほど、像全体のサイズは小さくなる。
 ・被写体サイズd1<レンズ有効直径Dのときは、
  ・ボケのサイズ増加>ボケを除く像のサイズ減少となる。
  ・したがって、ピント位置から奥に行くほど、像全体のサイズが大きくなる。

 レンズ有効径が大きい場合には、遠いものほど大きく見える、という逆転現象が生じうることになります。


★デジカメで検証実験
 以下の2つの実験によって、ボケの計算式4を検証しました。
・実験1:ボケの計算式の検証
 ・レンズからの距離=200mm、1000mmにブロック(幅32mm)を設置。
 ・一方のブロックにピントを合わせて、両方のブロックが写るように撮影する。
 ・得られた画像の、各ブロックの幅(ピクセル数、ボケを含む)を測定する。
 ・ピントは、手前ブロックに合わせた場合、奥ブロックに合わせた場合、の2通り。

・実験2:遠いものほど大きく見える現象の確認
 ・レンズからの距離=500、1000、1500、2000mmにアルミ棒(幅2mm)を設置。
 ・一番手前のアルミ棒にピントを合わせて、全てのアルミ棒が写るように撮影する。
 ・得られた画像の、各アルミ棒の幅(ピクセル数、ボケを含む)を測定する。

 式4の像のサイズd2'[mm]を像のピクセル数[pix]に変換する方法は、次によります。
 ・撮像素子の幅方向サイズ  :M=6.25mm(1/2.33型CMOSセンサ)
 ・撮像素子の幅方向ピクセル数:pw=3968[pix]
 ・像のピクセル数p2'[pix]=(pw/M)×d2'

 撮影条件は、次の通りです。
・共通:
 ・使用カメラ  :オリンパス TG-630 (防水コンデジ)
 ・記録画像サイズ:3968×2976ピクセル
 ・画像圧縮モード:ファイン

・実験1:
 ・焦点距離:f=10mm(ズーム2倍)
 ・F値=5.1
 ・シャッタースピード=1/5秒
 ・ISO感度=200
 ・レンズ有効径(計算値):D=1.96mm

・実験2:
 ・焦点距離:f=25mm(ズーム5倍)
 ・F値=5.9
 ・シャッタースピード=1/3秒
 ・ISO感度=200
 ・レンズ有効径(計算値):D=4.24mm

 ノイズのない精細な画像を得るため、画素数は最大、画像圧縮は最低(大容量)、ISO感度は低めにしました。シャッター速度がかなり低速になるため、カメラは床面に固定しています。


★実験結果1:ピントのハズれ距離とボケ量
 まず、実験1の結果です。
 手前のブロック(レンズからの距離L1=200mm)にピントを合わせた場合の写真です。
20130720z21.jpg
 上の写真を切り出したものです。クリックすると、実サイズ画像が開きます。
20130720z23.jpg
 上の通り、奥のブロックはピンボケが大きく、サイズの測定が困難です。一応、次のように測定できました。
 ・手前:1003pix
 ・奥 : 248pix

 奥のブロック(レンズからの距離L1=1000mm)にピントを合わせた場合です。
20130720z22.jpg
 上の写真を切り出したものです。クリックすると、実サイズ画像が開きます。
20130720z24.jpg
 測定結果は次の通りです。手前のブロックは、正面の面のみの幅です(傾いて見える側面部分を含まない)。
 ・手前:1047pix
 ・奥 : 213pix

 結果をグラフにまとめました。線が計算値、点が実験値です。計算値は、ボケを含む全体サイズ(式4)のほか、ボケを除く像のサイズ(式8、9のf×d1/C1)も示しました。
<図4>手前(L1=200mm)にピント
20130720z32.jpg
<図5>奥(L1=1000mm)にピント
20130720z31.jpg
 手前にピントを合わせた場合には、計算結果・実験結果とも、ボケによって奥のブロックの幅が大きくなることが分かります。奥にピントを合わせた場合には、手前のブロックの幅が大きくなります。(いずれも40ピクセル程度の増加なのですが、手前のブロックは元々の幅が大きいため、グラフでは幅の増加が小さいように見えます。)
 実験と計算は、よく一致しており、式4は妥当といえそうです。


★実験結果2:遠いものほど大きく見える?
 手前のアルミ棒(レンズからの距離=500mm)にピントを合わせて撮影しました。
20130720z11.jpg
 上の写真を切り出したものです。クリックすると、実サイズ画像が開きます。
20130720z12.jpg
 上の写真の通り、この実験では、ボケが著しいです。2個目以降のアルミ棒の幅の判別が、きわめて困難です。エイヤ!で読みましたが、かなりの測定誤差がありそうです。
 ・1個目(C1= 500mm):62pix
 ・2個目(C1=1000mm):72pix
 ・3個目(C1=1500mm):75pix
 ・4個目(C1=2000mm):72pix

 グラフにまとめると、下図6の通りです。
<図6>
20130720z41.jpg
 計算結果ほどではありませんが、遠くにあるものが小さくならない傾向が見て取れます。このコンデジでは、レンズ有効径が4.24mmと小さかったので、あまり大きいものを写せませんでした。もっと口径の大きいレンズを用いたカメラ(デジタル一眼レフ)ならば、もっと大きい被写体を用意して、より測定誤差の小さい検証ができるかもしれません。(遠いものほど大きくするには、レンズ径D>被写体サイズd1の必要がある。)

 なお、ボケは、サイズだけでなく、明るさも重要です(ボケた像は暗くなる)。これについては、またの機会に書きます。


★まとめ:ピントからの距離とボケ
 カメラの「ボケ」について、考察しました。まとめます。
 ・ボケた像のサイズは、焦点距離fに比例する。
 ・ボケによる像のサイズ増加は、レンズ直径Dに比例する。
 ・ボケによる像のサイズ増加は、ピントからの距離が外れるほど大きくなる。
 ・ボケによって、「遠いものほど大きく見える」現象が生じることがある。
 ・異なるレンズ間でのボケやすさの比較には、F値でなく、焦点距離fとレンズ径Dを用いるのが妥当。


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