今日のおじさん、なに食べました? (仮)

妻の料理と、おじさんの毎日の記録です。ほんのり工学テイスト。

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F値のワナ2~F値が小さいとボケやすいって本当?
【今日の夕食】
 今日は休日、一日、家の中で、のんびり過ごしました。
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★米飯

★ブリ、こまつな
 北海道土産です。タレに漬かったものの、冷凍品です。肉厚で、ほどよい味付けで、たいへん美味でした。

★玉子焼き
 以前に作ったひじき煮を玉子焼きにしました。

★レタス、味道楽ふりかけ和え

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【今日のおじさん】F値のワナ2~F値が小さいとボケやすいって本当?
 4月に新しいデジタルカメラ(オリンパスTG-630、防水コンデジ)を買ってから、レンズやカメラに興味を持つようになりました。少し前から、レンズやカメラの実験を記事にしています。 (→一覧はこちら

 「F値」は、デジカメのレンズのスペックを示す、代表的な数値です。しかし、F値とカメラ性能の関係について、誤解が多いように感じます。
 前回は(→こちら)、「F値が小さいほど暗所に強い」が正しくないことを示しました。そして今回は、「F値が小さいほどボケやすい」のウソについて、書きます。


★F値にまつわる2つの誤解
 前回も述べましたが、あるデジカメの製品カタログ[1]を見ると、次のように書かれていました。
「XZ-2では広角側F1.8、望遠側F2.5、XZ-10では広角側F1.8、望遠側F2.7の開放絞り値を実現。圧倒的な明るさのレンズが、味わい深く印象的な世界を作り出します。暗いシーンでも、速いシャッタースピードにより、ぶれを抑えた美しい写真が撮影できます。ポートレートやマクロ撮影では、美しいぼけ味で被写体を強調します。」
[1]オリンパス;スタイラスXZシリーズカタログ、CA@XZシリーズ-1301-01(2013)
 この文章には、誤解を与えやすい表現が含まれています。すなわち、この文章だけを読むと、次のように考えてしまいがちです。
 1)F値が小さい=暗所での撮影に強い。
 2)F値が小さい=ぼけ味を得やすい。
 上のうち、1)F値と暗所撮影の強さの関係については、前回の記事(→こちら)で書いたとおり、誤りです。暗所撮影の強さを比較するときには、F値そのものではなく、撮像素子サイズを勘案した「換算F値」を用いる必要があります。
 そして、2)F値が小さいほどボケやすい、というのも、誤りです。何が誤りなのかを、今回の記事で示します。


★ボケた像の大きさ
 まず、下図1の通り、ピントが合っている場合を考えます。レンズから距離L1[mm]に、直径d1[mm]の被写体があるとします。レンズからの距離L2[mm]の位置で、ピントが合い、像が結ばれます。この像のサイズは、d2o[mm]とします。カメラでは、L2の位置(壁面)に撮像素子(CCD、CMOSなどのイメージセンサ)を配置します。
<図1>
20130720z1.jpg
 図1において、次式1、2が成り立ちます。これらは、レンズの基本式として、以前の記事で示しました(→こちらの記事)。式1は焦点距離f[mm]とピント位置の関係、式2は被写体と投影像のサイズの関係です。
20130720s02.jpg <式1>
20130720s21.jpg <式2>

 次に、ピントが合わない場合を考えます。ピントが合わない場合には、像にボケが生じます。この場合、像がピントが合う場合に比べて、像のサイズは大きくなります。被写体からレンズの距離C1[mm]が、図1のL1に比べて大きくなっても小さくなっても、ピントが合いません。
 下図2は、L1の距離にピントがあった状態で、L1よりも遠い距離C1(C1>L1)の被写体を見た場合です。この場合、像は撮像素子よりも手前で結ばれます。撮像素子の位置では、やはり像の輪郭がぼやけて、像のサイズが大きく見えます。これを「後ボケ」と呼ぶことにします。
<図2>
20130720z3.jpg
 C1<L1のところでも、同様にボケが生じます。これは、いわゆる「前ボケ」です。

 ピンボケの場合の像のサイズd2’[mm]は、次式3で表せます。(この式の導出過程は、→こちらの記事
a)前ボケの場合(C1<L1)
20130720s31.jpg <式3>
b)後ボケの場合(C1>L1)
20130720s32.jpg <式4>
 式3、式4の通り、ボケのサイズは、ピント位置L1と評価位置の距離C1とで変わります。いま、無限遠でのボケのサイズを考えてみます。式4でC1→∞とすると、次式5となります。
20130901s1.jpg<式5>


★ボケの大きさはレンズ直径だけで決まる!
 式5のd2∞'は、撮像素子に投影されるボケの大きさ[mm]です。したがって、d2∞'が同じ数値でも、撮像素子のサイズが違えば、記録される画像(プリントされた写真)においては、ボケの大きさが変わります。撮像素子のサイズが違う場合でボケの大小を比較するには、d2∞'を撮像素子サイズ(幅方向)[mm]で除した、「ボケ占有率」を用いる必要があります。ボケ占有率Bは、次式6で計算できます。(「ボケ占有率」は、当ブログ独自の考案です。)
20130901s3.jpg<式6>
 ここで、
 ・M:撮像素子サイズ(幅方向)[mm]
 ・f:焦点距離(実際値、35ミリ換算でない)[mm]
 ・D:レンズの直径(レンズ口径、有効径)[mm]
 ・L1:レンズからピント位置までの距離[mm]
 例えば、ボケ占有率B=0.01ならば、プリントされた写真の幅寸法(L版プリントならば128mm)の0.01倍のサイズのボケ(128×0.01=1.28mm)が観察される、ということを示します。
 式6には、カメラの実焦点距離fが入っています。しかし、実用上は、35ミリフィルム換算の焦点距離f35を用いたほうが、画角を感覚的に知ることができて、便利です。そこで、35ミリ換算焦点距離を用いて式6を書き換えると、次式7になります。(画角、換算焦点距離については、→こちらの記事。f/M=f35/M35、となります。)
20130901s4.jpg(式7)
 ここで、
 ・f35:35ミリフィルム換算焦点距離[mm]
 ・M35:35ミリフィルムのサイズ(幅方向)[mm]=36mm
 ・A=f35/L1 …ピント位置の被写体サイズが一定ならば、一定値をとる

 式7において、35ミリフィルムのサイズM35は一定値をとります。また、ピント位置の被写体サイズが同じになる条件であれば、A=f35/L1も一定です(換算焦点距離f35が大きい望遠レンズでは、被写体サイズを変えないためには、被写体から距離を遠ざかる必要がある)。したがって、ピント位置の被写体サイズを同じにする条件では、無限遠点でのボケの程度は、レンズ直径D[mm]だけに依存します。言い換えれば、レンズの広角や望遠、F値の大小などを個別に考えることは不要で、レンズ直径Dだけが分かれば、ボケを定量的に比較できます。ボケの大きさは、レンズ直径に比例します。


★F値でボケの大小を比較するナンセンス
 さらに言い換えれば、「ボケの大小を比較するときに、F値の大小だけを議論しても無意味である。」と言えます。F値(F)は、次式8で定義されます。
20130627s9.jpg<式8>
 ここで、
 ・f:焦点距離[mm](35ミリ換算ではない、実際の値)
 ・D:レンズ有効直径(口径、有効径)[mm]
 実焦点距離が同じレンズ間であれば、F値の違い=口径の違いなので、F値でボケの大小を比較することは、できなくもなさそうです。しかし、実用上重要なのは実焦点距離fでなく換算焦点距離f35(つまり画角)です。F値でボケの大小を比較できるのは、実焦点距離が同じ、かつ、換算焦点距離が同じ場合に限られます。すなわち、実焦点距離と撮像素子サイズが同じ場合である場合に限って、F値でボケの大小を比較できます。しかし、これでは、かなり限定された比較しかできません。
 デジタルカメラの以前、フィルムカメラの時代には、撮像素子サイズ(つまりフィルムサイズ)は、基本的に一定値(M=36mm)でした。このため、F値だけを見れば、ボケの大小を比較できたのかもしれません(それでも、焦点距離の違いによるボケの大小は比較できない)。しかし、さまざまな撮像素子サイズのカメラが並存する現在では、F値をボケの比較指標とするのは、まったくナンセンスです。
※同じカメラ・同じレンズで絞りを絞ってF値(絞り値)を大きくすると、ボケにくくなります。カメラとレンズが決まっていれば、F値(絞り値)とボケは、一対一に対応します。このようにカメラとレンズが決まっている場合は、F値(絞り値)でボケを予測するのは、有用です。(F値には開放F値(レンズ諸元)と絞り値(露出条件)の2つの意味があり、混乱しやすいです。)


★レンズ直径とボケの関係
 以上から、ボケの大小を比較するには、レンズ直径だけを比較すればよいことが分かりました。ボケのサイズは、レンズ直径に比例します。レンズ直径(レンズ口径、有効径)D[mm]は、次式9で計算できます。
20130901s6.jpg<式9>
 ここで、
 f:焦点距離(実際の値、35ミリ換算でない)[mm]
 F:レンズの開放F値
 M :実際の撮像素子サイズ(幅)[mm]
 f35:35ミリ換算焦点距離[mm]
 M35:35ミリフィルムのサイズ(幅)[mm]=36mm

 ボケの大きさは、レンズ直径に比例します。よって、式9から、次のことが分かります。
 ・撮像素子サイズMが2倍(面積は4倍)になると、ボケは2倍になる。
 ・換算焦点距離f35が2倍(画角は約1/2)になると、ボケは2倍になる。
 ・F値(F)が1/2倍になると、ボケは2倍になる。
 ※ピント位置の被写体サイズを一定に保った場合(=望遠レンズ使用時は遠ざかる場合)

 確かに、「F値が小さいほどボケやすい」というのは、まったくのウソではありません。しかし、撮像素子サイズと焦点距離の概念が、欠落しています。「F値が小さいほどボケやすい」という記述は、正確でなく、誤解を与えやすい表現だと思われます(例えば、撮像素子サイズの違うデジカメでF値だけで比較をしてしまう間違いをおかす)。


★撮像素子サイズの異なるカメラでレンズ直径を比較してみる
 例えば、次の2つのカメラで、レンズ直径を比較します。
 ・カメラA(コンデジ):F=2.0、換算f35=28mm、撮像素子サイズM=6.2mm(1/2.3型)
 ・カメラB(デジイチ):F=4.0、換算f35=28mm、撮像素子サイズM=23mm(APS-Cサイズ)
 換算焦点距離f35が同じなので、同じ距離から同じ被写体を写せば、被写体のサイズは同じになります。F値だけを見ると、さもカメラAのほうがボケを得やすそうに見えます。しかし、式9からレンズ直径Dは、次のようになります。
 ・カメラA:D=(28mm/36mm)×(6.2mm/2.0)=2.4mm
 ・カメラB:D=(28mm/36mm)×(23mm/4.0) =4.5mm
 つまり、カメラBのレンズ直径は、カメラAの約2倍です。すなわち、カメラBのほうが、2倍ボケやすく、ボケ味を得やすいことが予想されます。なお、カメラAのボケは、カメラBに換算f35=28mm,F値7.4のレンズをつけた場合と同程度です。

 さらに、カメラBに、F値は同じで換算焦点距離が大きい(約3倍)レンズをつけた、カメラCを考えます。
 ・カメラC(デジイチ):F=4.0、換算f35=80mm、撮像素子サイズM=23mm(APS-Cサイズ)
 レンズ直径は、次のようになります。
 ・カメラC:D=(80mm/36mm)×(23mm/4.0) =12.8mm
 レンズ直径はカメラBの約3倍になり、さらにボケを得やすくなります。たとえば人物の撮影では、換算f35=80mmのレンズを使えば、背景がボケて、主題である人物を強調しやすくなります。このように、焦点距離は、ボケやすさを決定づける重要な因子です。(ここでの撮影条件は、カメラCを使って、ピント位置の被写体サイズがカメラBと同じになるように撮影するものとします。すなわち、カメラBのときよりも約3倍離れた距離から、撮影します。この条件であれば、背景のボケは、焦点距離にかかわらず、レンズ直径に比例します。)

 以上のように、ボケやすさを比較する場合には、F値だけでなく、撮像素子サイズと焦点距離を考えなければなりません。そして、「レンズ直径」を用いれば、これらを総合的に勘案できます。


★まとめ
 「F値が小さい=ボケを得やすい」というのは、正確ではありません。
 同じ撮像素子サイズ・同じ実焦点距離で比べる限り、F値が小さいほどボケやすいのは事実です。しかし、ボケの大きさには、焦点距離と撮像素子サイズも関係します。次の関係があります。
 ・撮像素子サイズMが2倍(面積は4倍)になると、ボケのサイズは2倍になる。
 ・換算焦点距離f35が2倍(画角は約1/2)になると、ボケのサイズは2倍になる。
 ・F値(F)が1/2倍になると、ボケのサイズは2倍になる。
 上の関係は、レンズ直径(有効径)を用いれば、ひとつにまとめられます。すなわち、
 ・レンズ直径が2倍になると、ボケのサイズは2倍になる。
 レンズ直径さえ分かれば、撮像素子サイズや焦点距離を考える必要はありません。

 確かにF値も重要ですが、撮像素子サイズと、焦点距離の影響を忘れてはなりません。例えば、換算28mmの焦点距離の場合、1/2.3型のコンデジでは、F値2.0であっても、換算焦点距離が同じAPS-CのデジイチのF値7.4の場合と、同程度のボケしか得られません。


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